【読書感想文】人工知能と経済の未来 AIとBI(Basic Income)、セックスできれいになるのか?【税金】

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情報通信白書

未来予測や未来社会の本を読んで、いろいろと考えるわけですが、

エダヒロ・ライブラリーで取り上げられた、H27年度版情報通信白書についての記事 「IoTやAIで労働コストは下がり、家計消費は増えるって本当ですか?

情報通信白書によると「すべてのモノがインターネットにつながるIoTやビッグデータ、人工知能(AI)の普及が進めば2020年度時点の実質国内総生産(GDP)を33兆円押し上げる」とのこと。日経記事では「仕事の生産性が大幅に高まるため。働き盛りの人口が減るなかで、こうした技術を生かすべき」、GDP増加の要因として「家計の消費が平均12%増える」とのこと。

に対して、

うーん……本当かなあ? そんなバラ色の未来が待っているのかなあ?

というエントリーがあり、Facebookで、限界費用ゼロ社会とまったく逆のことだなぁ~って書いたら、知り合いから

この領域はたいへん興味深いですね。
「限界費用ゼロ」も読んでよかったのですが、経済学の方からは「人工知能と経済の未来  井上智洋 (著)」という本を読みました。
人工知能社会、雇用が減少する中で、社会を維持するためにはベーシックインカム的処置が不可避ですって。
良い本です。個人的には「あとがき」がナイス。

ってあったので、読んでみました(笑)。

あとがきナイスです(笑)

この本、AIや経済学について書かれていますが、なんとなく、支離滅裂な感じで、何が主張なのか僕の読解力ではわかりませんでした。でも、まぁ、あとがき面白いです。正確には、「おわりに」ですけどね。。

アンアンの記事を題材にして、有用性至上主義の現在の資本主義は終焉を迎え、至高性が重視される時代になり、余暇時間の使い方として、将来の利得の獲得のため(勉強すること)でなく、その時を楽しむために費やされるようになり、資本主義は終焉を迎える。ということについて書かれています。「有用性」とは、「役に立つこと」で、「至高性」とは「役に立つの如何にかかわらず、価値のあること、その瞬間に満ち足りた気分になれること」です。

で・・・そのアンアンの記事は、

「セックスできれいになる」特集 です(笑)

確かに・・・ 「きれいになる」 は未来に向けた努力で、美しくなるための投資です。そんな目的がセックスに必要になるような時代になったということなんでしょうか?気持ちいいから、好きだからする。愛があるからするっていうのとは、価値観がまったく違うってことですね。

これで、何を言いたいのかっていうと、なんでも投資に結びつけてしまわないといけない現代人の性癖と、経済学について語りたいらしいのですが、この本には、そんなこと一切書かれてないような気がして、またこれも面白いです。

この感覚、目線は、おもしろいです。

この本でのAIの議論とBI(Basic Income)の議論

いわゆる、最近流行の、「シンギュラリティ」に関しての予測と、その後の経済について語られています。いろいろ突込みどころ満載の本編ですが、ちょこっと紹介しておきます。

AIが人類並みの知性をもって完全に機械化されたら、労働力は要らなくなるので、1割くらいしか人間がする仕事が残らない。(AI自体に結構ページが割かれていますが、僕的には正確な情報でないような気がします。著者の意見ですので、そう思って読むのがいいと思います。)

そうかもしんないけど・・・ 一方で、「将棋ロボットが、ちゃぶ台をひっくり返すことはない!」という予測もあるそうで・・・ (どっちやねん)

資本主義というか、産業革命で、産業革命に載った方(資本家サイドに行った国)と載らなかった方(アフリカやアジアの国々)で、大きく豊かさGDPに開きができた。

DSC_0378

同じように、産業革命4.0でも、乗り遅れると、この大分岐の下に来てしまう。日本もAIで頑張れ!

その中でも、研究開発に力を入れろ! と・・・

でも、純粋機械化経済 という時代に突入すると、働ける人はほとんどいなくなる。

ので、

ベーシック インカム が必要になる。

ってことらしいです。

感想として、少し上から目線になってしまうのですが・・・グローバル化についてもう少し考えたり、環境やエネルギーについて制約を考えると、もう少し納得感がある論法になりそうな気がしますし、AIについても、研究が今のAIの進化を決定づけているのではなく、計算資源(人の興味と、利用しやすくなった環境)が決定づけているので、そちらのプロセスやエコシステムをもう少し考えると深みがあるような気がします。

Basic Income についての理解は、少し進むかも

原田泰氏のこの本の解説をしてくれています。

僕も少し理解を間違っていたんですが、このベーシック・インカムって制度は、単純にみんなにお金をばらまくという制度ではなさそうだ! ということに気が付きました。

この本には、一切書かれていませんが・・・

よく貧困対策として議論されることが多いので、勘違いしてしまいますが、これは社会保障全体の制度を変えようということのようです。

かなり複雑になっている年金・生活保護・医療 と 例えば、お米の作付けなどの減反制度や、あまり必要のない道路などを作る公共事業費なども合わせて、制度変革して、生活にかかわる最低の費用を直接あまり管理せず(コストをかけないで)、配布しようという制度のようです。

税金使うのにも、大変なコストがかかっていますし、税金を取るのにも大変なコストがかかっているので、所得税とか法人税とか計算するだけでも大変だし、生活保護の基準が間違っているかどうか?の判断も今は人間がしてますしね。国の税金でいろんな施策がありますが、いっぱいお金をかけて選ぶ行為もしています。

確かに・・・ 収入は、全部 所得税と消費税! 支出は全部 ベーシックインカム! でとして制度設計で富裕層(資本家)から貧困層(労働者)への資本の移行を促す。それ自体が単純なので、この仕組みは効率的です。

この本質的な効率化(コストダウン)を図れるなら、いいような気がします。

が・・・

それなら・・・税金そのものをやめてしまった方がよいようにも思える(笑)

昔の封建時代の制度が、それですよね。。 殿様に仕えたら、扶持がいただける。これをどれだけ公平にするか?ってことが課題なんですね。

社会保障ってそもそも戦争するためのお金集めと、戦争の恩給から始まった制度らしいので、当たり前かもしれないですけどね。

国って単位が、今のままだと、この本で書かれているベーシックインカムもいいような選択になるでしょうけど、富裕層のいる国の単位や、国自体の価値が変わってくるしたら、もっといろいろと税制について考えなきゃいけないんでしょうね。そんなことあんまり考えたことなかったので、そういう意味では、この本、「突込み」を入れられるっていう点で、議論の発出点、勉強の発出点になるので、いい本なのかもしれません(笑)。

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