ハードパンには硬水じゃなきゃ!
っていう話しを聞いたり、「水は何使ってますか?」っていう話しを聞いて・・ん。。そう言えば、前に少し試したっけか?硬水のコントレックスはイマイチって話しを聞いたような気もして。。でも、水より、塩の量とか酵母・酵素の違いの方が大きいぞ!って思ったことを思い出しました。
それで、そもそも・・硬水・軟水ってなんだったかな? ミネラルウォーターってなんだっけかな? ミネラルってそう言えば、塩にも入ってたよなぁ~って思って、調べてみました。
くどくど読むの嫌いな人のために・・・結論を言うと
硬水軟水の、硬度は、カルシウム・マグネシウム等のミネラルの量。塩にもカルシウム・マグネシウム等のミネラル塩(にがりが入っている)があります。
日本の水道水(平均)は、ドイツやフランス等の水(平均)に比べて、ミネラルが少ないので軟水。軟水だと発酵しやすく、グルテンが軟化しやすいので、生地が扱いにくい。でもしっとり感のあるクラムになる。
軟水でも、にがりが入っている塩を選んだり、加水率を下げれば、硬水使っているのと同じになる。ってことで、どうにでも調整できる!
ってことがわかりました!!(笑)
では、こまごました説明を・・
硬水・軟水について
水の硬度について、Wikiによれば・・
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AC%E5%BA%A6_(%E6%B0%B4)
硬度 (こうど 英語: (Water) Hardness) は、水に微量含まれるカルシウム (Ca) 塩やマグネシウム (Mg) 塩(あるいは同じことだがCaイオンやMgイオン)の質量をある方法で表現したもの。
一般に使われる硬度の表し方は、アメリカ硬度で、1リットル中に、ミネラル(カルシウム塩、マグネシウム塩など)が何mg入っているか?っていう物
ミネラルウォーターって、そういうミネラルが多いものですよね。。当たり前だけど
https://www.waterworks.metro.tokyo.jp/suigen/topic/12.html
で、日本の水道水の硬度は、どんなものかっていうと・・・
https://www.waterworks.metro.tokyo.jp/suigen/topic/02.html
ということで、結構ばらついています。が、ドイツの水の硬度の平均が179~358なので倍ほど違うってことになりますね。
粉量1000g(1kg)で、加水率60%だったら、水は600g(水の比重は1なので、600cc=0.6リットル) 硬度80の水を使った場合と硬度200の水を使った場合で、ミネラルの量は
80✕0.6=48mg
200✕0.6=120mg
ってことですね。
硬度と生地の状態
新し製パン基礎知識にも書いてありますが、ここにも同じことが書いてあります。
http://www.panstory.jp/secret/secret03.html
軟水を使うと、グルテンが軟化し、べたつきのある生地になり、湿った重い感じのパンができます。硬水を使うと、グルテンが硬くしまり、生地が切れやすくなります。発酵も遅くなり、パンももろく乾燥しやすくなります。
やや硬水がいいそうですが・・・
軟水すぎる場合は、加水率を下げる(ベタつきやすくなるため)、イースト減らす。食塩を増やす(ミネラルを入れてあげる)ってことで対処できます。
硬水すぎる場合は、加水率を上げる。イーストを増やすとか生地温度を上げるってことで対処できます。
ちなみに工業生産されるパンの場合は、工場の水の硬度はチェックされて、マグネシウム塩やカルシウム塩を直接添加したりしているそうです。またドライイーストなどで日本用のものと欧州用のものでは、こういうミネラルの添加量が違うそうです。
さて・・・ここで、塩が出てきますね。そうなんですよね。塩にもミネラルが入っているので、それで調整できるのです。
塩とミネラル
塩とミネラルについては、ここが詳しいです。
http://www.siojoho.com/s05/01.html
ミネラルっていうのは、ほとんどが、海水の微量成分で、にがりとほぼ同じってことが書かれていますね。
じゃぁ、にがりって何?って逆から見ると、塩百科にのってて、
http://www.shiojigyo.com/siohyakka/select/quality/bittern.html
にがりの主成分はマグネシウムです。それ以外にも、ナトリウムやカルシウム、カリウムなどが含まれています。
一緒だって書かれているんだから、一緒ですね(笑)
ちなみに、塩については、日本の塩っていうHPがあってここが詳しいです。
http://www.sio.or.jp/
また、そのリンクから「塩に関する情報の宝庫」というページもむちゃくちゃ詳しいです。
http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/
と・・これを読んで、ふと。。塩によっても、ミネラル量がえらく違うことがわかりました。
で・・・それらを見ていくと、
超有名なゲランドの塩だと
http://altertrade.jp/guerande/basics
栄養成分
エネルギー | 水分 | 灰分 | ナトリウム | カリウム | マグネシウム |
0kcal | 1.8g | 98.2g | 38000mg | 55mg | 73mg |
って乗ってます。が、これなんとも実は怪しいので、成分一覧を調べてみました。
塩の成分表
そういうデータが乗ってるサイトがあります
能登製塩 成分表
個人で調べられているサイトもあります。
http://horika2014.sakura.ne.jp/solt/seibun.html
とりあえず、能登製塩のデータをもとに、100gあたり128mgより多いのを見てみるとって思ったけど。。ゲランドのHPにはカルシウムの量が抜けてました。。この能登製塩のデータで、比べた方がいいですね。
少し、表を抜粋しまして、ゲランド、食卓塩、塩 と、候補になりそうな塩です。
産地 | 商品名 | 原材料 | 種別 | 製法 | 食塩相当量 | ナトリウム | マグネシウム | カリウム | カルシウム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
フランス | セル ゲランドの塩あら粒 | 海水 | 海塩 (非加熱) |
塩田・天日 | 87.5g | 34.45g | 520mg | 120mg | 170mg |
日本 | 食卓塩 | メキシコ原塩 | 海塩 (加熱) |
輸入塩、水溶解立釜炊mg添 | 99g | 39g | 0.13mg以下 | 0.35mg以下 | 0.30mg以下 |
食塩(JT塩)
|
海水 | 海塩 (加熱) |
イオン交換膜塩 | 99.57g | 39g | 18mg | 100mg | 22mg | |
東京 | 小笠原自然海塩ムーンソルト | 海水 | 海塩 (非加熱) |
天日 | 82g | 32.3g | 1390mg | 910mg | 481mg |
海の精(青ラベル) | 海水 | 海塩 (非加熱) |
流下式・屋内天日 | 85.68g | 34~36g | 400~600mg | 400~600mg | 100~200m | |
沖縄 | 粟国の塩 | 海水 | 海塩 (加熱) |
流下式・平釜炊き | 71.6g | 28.2g | 1530mg | 560mg | 548mg |
雪塩 | 海水 | 海塩 (加熱) |
逆浸透膜・噴霧加熱式 | 76.9g | 30.03g | 2810mg | 859mg | 859mg |
とりあえず、ゲランドは520+120+170=810mg ちなみに、食塩だと、140mg。
粉1kgに2%の塩が定番なので、20g使ったとして、ゲランドなら、162mgですね。上の硬度80と200では
80✕0.6=48mg
200✕0.6=120mg
だったので、
硬度80だと、48+162=210mg
硬度200だと 120+162=282mg
この時点で、もう3倍も変わらなくなってしまっていますが・・・まったく同じにしようとすると
小笠原のムーンソルトを使うと1390+ 910+ 481=2781mg なので20gの場合は、556.2mg となるので
硬度80でも48+556.2=604.2 mg となって
硬度200にゲランドの倍ほどはミネラルが入っているってことになり、グルテンが締まりすぎてしましますね。
ちょっとややこしいですけど、逆算で求めると、(282-48)÷0.2=1170mgになってるやつを探すことになりまして、そうすると、海の精(青ラベル)だと、900~1400mgなので、これくらいのやつを使うと、ほぼ、同じような硬度の水を使ったのと同じになるってことですね。
ちなみに東京の水道水の硬度はだいたい80くらいだそうです。硬度200の水は、こんなサイトがあるので、見てみてくださいw
結論
ということで、水だけの硬度で言っても生地のミネラル量は塩でも決まるので、どんな塩使うのか?ってことも重要ってことなんですね。
これを逆手にとると、生地のベタつきや、グルテンの強さを、ミネラル量で調整・設計できるってことなんですね。それはそれで面白いですね。
でも、単純に加水率やイーストの量でも調整できるので、こんなこと暇じゃないと考えないですねぇw
追加 やっぱり水の硬度自分で作れそうです。
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