【地球永住計画】養老孟司さんの講演に行ってきました。脳化・人口減少とシンギュラリティと経済【未来】

地球永住計画の講座

武蔵野美術大学の関野吉晴さんが作っている「地球永住計画」というプロジェクトです。地球永住計画プロジェクトは、成長の限界を起点として、地球の生物と芸術を追及しているプロジェクトで連続講座が行われています。前回は、平田オリザさんでした。

http://tom2rd.sakura.ne.jp/wp/2016/08/22/post-1794/

人選がいいのよね。。だから行きたくなる

今回は、「虫から人間社会を考える」 養老 孟司 さんです。

僕、養老さんの本好きでして、タイトル違いの同じ本たくさん読んでます(笑)

http://tom2rd.sakura.ne.jp/wp/2016/07/29/post-1677/

講演の内容と感想

「私は虫じゃないから、虫から人間社会は考えられない!」というつかみから入っていました(笑)。

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少し前だったんで内容全部覚えていませんが・・・印象に残った事柄などを少し・・

現在の人間社会は、「脳化社会」であり、すべてのことが人間がコントロールできていると思っていることが、今のいろんなことの課題の始まりである。と… 今回の話のテーマは、脳化社会つまり、「人間と自然についての関係性」そして人間が発明した凄い概念は「同じ」ということだという点でした。「人間の意識」についての話が根底に流れるテーマだったように思います。また最近は、人工知能と経済学が面白いって言っていました。

例えば、人口減少の問題

人間は、だんだんと、意識の中に生きるようになってきて脳化し、自然を扱うのが下手になってきている。それは、人間の意識の中に自然がなくなってきているからだと。 自然とは人間が予測できない世界をいい、その予測・コントロールできないものに恐怖を感じる。

例えば、人口減少の問題は、いろんなことが言われているけど、自然が好きだったり自然に寄り添って生きていれば、人口減少なんて起こらない。なぜなら、子供や赤ちゃんは、好き勝手に泣きさけんだりする。それが自然。でも、予測もコントロールも難しい。だから嫌がられる。これは、人間が脳化してきて、自然を嫌がるようになったから人口減少が起こる。これはある程度、脳化が進んだ国ではみんなそう。自然から遠ざかるからなのだと・・・

確かにそうかもしれないですね。きれい・きたないの感覚が、人工物・自然とリンクするようになっているのが今の人々かもしれないですね。

この人工物と、自然の関係で、もうひとつ面白いこと言っていました。

「もし、私が 道で転んだら・・・」①それが町の中だったら、②それが自然の山の中だったら、どう思うか?

①こんな道路作りやがって、作った奴、訴えたる! となる。

②自然の中なので石ころがあるのは当然だな。。気を付けよう! となる。

この違いは、非常に大きい。自分の中に責任を持っていくのか?外に責任を持っていくのか?

人口減少は国策が悪いから・・・ではなく、自然と離れて、人工物に囲まれて暮らしているからなのであると。。

人工知能とシンギュラリティについて

解剖学者で脳科学者でもあるので、最近、このシンギュラリティについて、よく聞かれるそうです。おもしろいこと言ってました。

まず、人間は、本当に自然から発生した体には1兆以上の細菌と共生していて、意識や脳の部分は、そのほんの一部である。意識だけをとってきても、それは人間ではない。だからシンギュラリティって言っても、機械が意識を持ったとして、細菌まで飼えるか?だって(笑)

ただ、改めて、意識というものを考えるときが来ているだけかもしれないと。。

ちなみに、国際意識学会は1996年に発足しているそうです。またこれの範囲はとても広くて、認知科学から神経科学、哲学・・・などなど。。 考えても意識で考えているうちはわからないだろうって(笑) 確かに・・

「同じ」という概念

動物と人間の大きな違いは、犬や猫は絶対音感をもっているが、大人の人間は絶対音感持つ人は少ない。それは言葉をもっているからだそうです。犬や猫は音程で意識を伝える。人間は言葉で意識を伝える。人間もあかちゃんの時は実は持っている。ピアノの配列と人間の脳の神経細胞の音感の配列は物理的に同じだそうです。しかし言葉を覚えることで、失われていくのだそうです。

この言葉っていう概念の一番大きな概念は、ひとつの言葉で「同じ」というくくりを作ることにある。そのため、人間は、例えば、花というと、いろんな花それぞれ違っていても、花という概念の中で同じものだと認識する。でも、動物の場合は、この同じという概念がないから、たんぽぽがいっぱいあったら、一本づつ違う物として認識する。

この同じという概念=言葉の発生 は人間を自然から遠ざけていき、意識を作りだし、脳化を進めているのだそうです。

感覚で判断しているか?意識で生きてるよね。。みんな

これもまた面白い話でした。

ホワイトボードに、ペンで、大きく「白」

って書いて、これ何色? って聞くと、みなさん、白って答えますよね?

猫や犬だったら、これは、ペンの色の「黒」って答えるはず。黒い色で書かれた白っていう字をみた人間は、「白」って答える。それが、意識で生きているってことの証明。感覚では生きていない。感覚を無視している。

感覚を取り戻すには、自然(予測不能なもの)から遠ざかることはいけないと。。

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自然の大切さって?考えて答えられるのか?

さて、こういう感覚で生きていない人間に、自然の大切さを説明するには、どうすればいいか?という話がシンポジウム(ワークショップかな?)で話合われていました。

で・・・面白いなって思ったのが・・

自然を守る のは理由とか理屈とか、そういうものではないはずだ。自然と共生してはじめて人間であるのだ!という感覚がない人には、理由も理屈も言っても仕方がないかもしれない。って、前述の意識・脳化の中で生きていると、(言語でできた世界だけで生きていると)自然は必要ないから。。だから、感覚を養うためには、理屈ではなく、自然に触れさせることが重要で、自然の中で少しでも生活すること、そして脳化によって失われた感覚を自然の中で取り戻す作業を行うことが必要であるのではないか?と。。

なるほど・・・ 自然を知らない人に、自然を語っても確かに無意味だ(笑)

今回の講演の主題(テーマ)に関する話は、こんな話でした。

経済に最近興味があるそうで・・・日本は破たんするか?

日本にはいっぱい借金があって・・・・っていうけど、破たんするの?っていうのを調べていくと、面白いことが分かったそうです。

みなさんが、税金を納める。それを国が使う。。足りないからと、国債を発行する。だれがその国債を買うかというと、日本の銀行である。その銀行の金はどこから集めたのか?というと、みなさんが、使わずに預けたお金である。ということは、みなさんが老後にととっておいたお金です。。

で、また税金で国の政策ができないので赤字国債を発行するとして、誰が買うか?っていうと銀行で、そのお金は、みなさんの預けているお金です。じゃぁ、それができなくなる日がくるか?っていうと、みんなが将来不安だからとお金を預けているうちは、このサイクルはず~っと回るから、破たんしないんじゃないか? と。。。国債の価格が暴落して価値がなくなって困るのは、結局日本の国民で、そのお金は預けていたお金で現在実質的に価値のあるお金じゃないんだと。。もし、高齢化が進んで社会福祉費がいっぱいかかるようになって赤字国債で補てんしても、それは高齢者が貯めたお金が国債になるだけなので、大丈夫だと。。

そうなんですよね。日銀が量的緩和したところで、みんなお金を使わずにいるので、インフレは起こらず、投資にも回らず、景気は回復しない。だから確かに破たんしないかもね。。大丈夫かどうか、私には確信はないけど、確かに、税で納めたお金か、自分の貯金が形を変えて国債となってそれの価値が下がるだけなのか?どっちにしても日本の国の中だけの問題なのかもしれないですねぇ。

それで、曰く、お金を貯めることもある程度必要だけど、人間いつ死ぬかわからないので、どんどんお金は使わないと意味がない。いっぱい貯金している人に言いたい。そういう人は、自分の寿命を書いた札を首からさげておきてほしい。私は120歳まで生きるのでこれだけかかるので貯金しているって。。書いておいてほしいって。。それくらいばからしいことなのだと。。

な~るほどねぇ。。

最後に

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喫煙者なんですね。ここで少し話を聞けました。ここでの話も面白かったです。

僕も喫煙者なので・・・

ちなみに、関野吉晴さん とも、お話しできました。小平に市民の大学を作りたいそうです。地球永住大学を。。 おもしろそうですね。

とっても面白い取り組みをされているし、僕も何か協力できないかな?なんて思わせる内容でした。こんなんを500円でできるのは、すごいことですね。 ありがとうございました。

投稿者 tom2rd

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