【読書感想文】発酵は錬金術である。なんでも発酵させれば売れるんだ!【エコノミーとエコロジー】

小泉先生の本は面白い!

つい先日、「発酵」を読んだばかりですが・・・

【読書感想文】小泉武夫著「発酵」マニアには必読書かも!ミクロの巨人の神秘【なんでもできるのね】 

今度は、発酵は錬金術であるを読んでみました。

発酵の本という意味では、少し物足りないものがありますが、足元を見たビジネスを考えるという意味では、とても参考になる本だと思います。といっても、小泉先生のように造詣が深く知識もあり、それに、メディアにも影響力がある場合には、簡単にビジネスとして成功するのでしょうけど、なかなか普通にアイディアと実行だけでは、ビジネスとしては成功しないかもしれないですけど(笑)

内容的には、

1章は、小泉先生の「捨てるもの、あまりものを、発酵によって高付加価値化した事例集」

ライスチーズ・・・ビーガンチーズかな?って思ったら違ってた(^^; ピザ好きなのでいつかはビーガンチーズで美味しいやつを作ってみたいと思っていますが・・・

米糠からアミノ酸(うま味)調味料を作る話は・・・小泉先生の本にはよく出てくる話ですけど、吟醸米の米糠→麹で発酵→ブドウ糖 で。。 これからアミノ酸を作るには、菌自体がアミノ酸を沢山もつもので、ブドウ糖の中で繁殖させて、それをアミノ酸としてうま味調味料にする。っていうくだりは、ちょっとびっくり。。ということは、死んだ菌そのものがうま味調味料になっている。。ってことなんですね。米糠はエサ!! な~るほど、発酵でといっても、もともとの分子構造を変えるのではなく、菌そのものを大量培養することで分子構造の変換をしているんですねぇ・・・・知らなかった。

カツオ節などの削りかすを、エタノールに入れて香りを吸収させ、エバポレータで濃縮して、カツオフレーバーに、また残ったカスを煮て濃縮して天然出汁に・・・ こういうのが今、いろんなところで使われているんですね。。出汁醤油とか。。これも知らんかった。

などなど

2章は、一言でまとめられないけど・・・ん・・昔からの日本の伝統的なリサイクル的な発想での商品開発ですね。

「発酵」にも出てきた内容もありますが・・・ 酒屋の水は、鉄分が少なくてお茶を入れるとおいしいって話で、酒屋の水を売る話とか、サバ街道の町で安くなる季節のサバを買って、サバ寿司を作るとか、目の前にあって価値がないようなものも、よく見ると価値がある。お客さんの立場にたってみると、とても有益になって売れる!っていう話が書かれています。

3章は、「完璧なリサイクル 農業・酪農・発酵での循環系」について

最初の3つくらいは、また小泉先生の自慢話ですが・・後ろの方の話は、中国の白酒(ぱいちゅう)が何故 固体発酵をしているのか?ということを使って、本当に残すことなく使い切るエコサイクルの農業(米)→発酵(酒)→養豚(餌・糞)→農業(米)・・・とつづくことの重要性を語ってくれています。日本も江戸時代にはそういうエコサイクルになっていたようですね。米国式の農業が拡散するまでは、欧州も、日本も、中国も・・・このようなエコサイクルだったようです。

最後は、大分県大山町の「オーガニック農園」で六次産業化の町おこしについても載っています。

なんとなく、最近、いろんなことの諸悪の根源は、アメリカ式の消費や大量生産の方式なのかもしれないな。。なんて思うようになっているのですが、正に地球に負担をかけない方法の中に発酵があるんだということを、確信できる内容でした。

って・・・自分が環境問題に興味があって、発酵のこと調べているので、そら共感しますよね(笑)

 

 

投稿者 tom2rd

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