目次
- Wired UKの記事 (Zapping brain:tACS)
- Working memory revived in older adults by synchronizing rhythmic brain circuits
- Spatial Working Memory in Humans Depends on Theta and High Gamma Synchronization in the Prefrontal Cortex.
- tACS motor system effects can be caused by transcutaneous stimulation of peripheral nerves
- えっ??もうひとつのWired UKの記事(tDCS)
- いいね:
- 関連
Wired UKの記事 (Zapping brain:tACS)
https://www.wired.co.uk/article/brain-magnets-memory-loss
こんな記事が乗ってました。
超要約すると、「磁界を与えると、海馬(脳の一部)に刺激が与えられて、それによって記憶力が回復する」ってことです。
ラジコン等では、二次電池(NiMHやNiCd)をZappingして回復させるっていうのは、よくやる手法で、極についた化合物を破壊して新品状態にしたり、極自体を活性化させるのは原理的にもわかっている話ですが。。
脳もZappingできるなんて。。 ちなみに、Zappingって言葉は、「急に動かす、 急に強く打つ」っていう意味です。
ほんまかな?って思ったんですが。。この記事には、ちゃんと根拠論文も掲載されていて、まだまだ人数は少ないけど、効果はあるような結果になっています。
根拠論文のリンクとアブストラクトを紹介すると。。
Working memory revived in older adults by synchronizing rhythmic brain circuits
https://www.nature.com/articles/s41593-019-0371-x
正常な脳の老化を理解し、高齢者の認知を維持または改善するための方法を開発することは、基礎的および並進神経科学の主な目的です。ここでは、認知機能低下の中心的な特徴であるワーキングメモリの欠損が、側頭皮質のシータ – ガンマ位相 – 振幅結合と前頭側頭皮質全体のシータ位相同期によってインスタンス化された局所的な遠距離回路から発生することを示します。我々は、60〜76歳の成人における長期のシータ相互作用を調節するための非侵襲的刺激法を開発しました。 25分の刺激の後、個々の脳のネットワークのダイナミクスに合わせて周波数を調整したところ、神経の同期パターンの優先的な増加と前頭側頭領域内および間の情報フローの送信者と受信者の関係の回復が観察された。最終的な結果は刺激後50分の期間を凌駕するワーキングメモリパフォーマンスの急速な改善でした。結果は、加齢による認知障害の生理学的基盤への洞察を提供し、認知機能低下の側面を標的とした将来の非薬理学的介入のための基盤に貢献します。
どうやら、脳波の周波数と同期した刺激を与えると記憶力や認知力が回復するようです。脳波は比較的おそくて。。
δ(デルタ)波:0.5~4Hz未満
θ(シータ)波:4~8Hz未満
α(アルファ)波:8~13Hz未満
β(ベータ)波:13Hz以上
なので、4~8Hzくらいの刺激か。。 あとで、しっかり読もう!
Spatial Working Memory in Humans Depends on Theta and High Gamma Synchronization in the Prefrontal Cortex.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27238283
相関的ではあるが、以前の知見は、ワーキングメモリの根底にある神経機構が、シータ神経振動とガンマ神経振動との間の交差構造および交差周波数結合機構を厳密に必要とすることを示した。ただし、クロス周波数カップリングと作業メモリのパフォーマンスの間の直接的な因果関係はまだ実証されています。ここで人間の空間ワーキングメモリのパフォーマンスに影響を与えるために経頭蓋交流刺激の新しい交差周波数プロトコルを使用して前頭前野におけるシータとガンマリズムの相互作用を外部的に変調しました。高いガンマ振動(80-100 Hz)のバーストがシータ波のピークと一致したときにワーキングメモリ性能の向上と全体的な新皮質結合性の増加が観察されたが、シータ波と低ガンマ周波数プロトコルのトラフへの重ね合わせは無効であった。 。したがって、我々の結果は、ワーキングメモリのパフォーマンスと外部駆動シータ – ガンマ交差周波数同期の位相とリズムに対するグローバルな新皮質の接続性の感度を示しています。
ガンマリズムって80~100Hzなんですね。音でいうと、低音域。。それと、4~8Hzのリズムとのバースト信号をいれればいいのか? って。。 これ。。 ある意味で、音楽のビートというか、グルーブ感を出すテクニックと同じですね。。 気持ちが高揚するのって、低音のリズムのゆらぎだったりするので。。 科学的に証明できてなくても、人間の感性としてはわからりやすいかも(笑)
tACS motor system effects can be caused by transcutaneous stimulation of peripheral nerves
https://www.nature.com/articles/s41467-018-08183-w
経頭蓋交流刺激(tACS)は、聴覚、運動、認知および記憶機能を調節することが示されている非侵襲的神経調節方法である。 しかしながら、これらの知見を支えるメカニズムは、皮質に達する電流が神経活動を同調させるのに十分なほど強くないかもしれないことを示すので、物議をかもしている。 ここで、我々はこれらの相反する結果を調和させるための新しい仮説を提案する:tACS効果は皮質ニューロンの経頭蓋刺激ではなく皮膚の末梢神経の経皮刺激によって引き起こされる。 次いで、末梢神経からの律動的活動は皮質ニューロンを同調させる。 ラットとヒトにおける一連の実験は、経頭蓋的メカニズムと経皮的メカニズムを分離し、運動系に対するtACSの報告された効果は末梢神経の経皮的刺激によって引き起こされる可能性があることを示した。 経皮メカニズムが他のシステムに対するtACS効果に一般化するかどうかは議論の余地がありますが、調査する必要があります。
tACS(経頭蓋交流刺激)っていうのか?強い磁界でなくても、頭皮や頭蓋の末梢神経に刺激を与えればいいってことみたいですね。脳の神経細胞に刺激を直接与えなくてもいい。。
つ~ことは、音楽でいいんでない??(笑)
ということは。。 脳機能を回復できるグルーブ感ってあるのかも??
日本では九州大学の研究があるみたいですね。
これを読むと、既にFDAなどで認可も取れている方法があるみたいです。
[PDF]経頭蓋交流電流刺激を用いた皮質間ネットワークの強化が運動遂行能力に与える効果
ちょっとびっくりだけど、運動能力が高まるってことなんですね。。
えっ??もうひとつのWired UKの記事(tDCS)
https://www.wired.co.uk/article/brain-stimulation-wellness-tdcs
スペインのDIYコミュニティの話で、流行っているtDCSという脳に刺激を与えて幸福を得るという方法。。これ、幸福を得るだけじゃなく、スペインのCEO連中が使っているそうな。。
経頭蓋直流電気刺激(tDCS)
ってことで。。こちらは、直流刺激。もっと簡単(笑)
で。。そういう装置もう売ってるんですね。。
https://flowneuroscience.com/wp2/
これ、「スウェーデンのFlow Neuroscience社によって製造されたヘッドセットは、EU(およびイギリス)でCE認証を取得しています。つまり、特定の健康、安全、および品質基準に準拠しています。」ちなみに、特定の健康は、うつ病のようです。
ということは、臨床実験的に効果は実証されているってことですね。えっ?売ってるの??
リハビリ用途では、既に使われているんですね。PDF
発達障害の改善にも効果があると日本でも研究されているみたいです。金沢大学
そもそものやり方なんてのも乗ってたりする。。すごいですね。
http://www.miyuki-net.co.jp/jp/web_seminar/tDCSImplementation/
Amazonでも少し違うけど売ってる。。しかも、割と安い(笑)
脳波を測かりながら、実験するなら、こんなのでいいのかな?
ところで、日本では、まだ認可でてないようですね。日本臨床神経生理学会から注意喚起も出ているくらいだから。。気をつけてやりましょう(笑)
http://jscn.umin.ac.jp/info/2019-03-28.html
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