各社 シミュレーション支援ツールがあります。
「とみながさんの、計算って、どうしてそんなにちゃんと合うんですか?」って言われるんですが。。いつも、「僕には、浮遊容量とか寄生抵抗とか寄生容量が見えるんです」って答えるんですが、実は、物理的なサイズや物理的な位置関係っていうのを考慮するんです。経験的に配線が、1㎜あれば1nH 浮遊容量なんかは、ちょっと線が重なってると0.1pFとかあるんで、そういう見えない定数や見えない回路を入れ込んで計算します。雷くらいの周波数(kHz)くらいからこういう高周波の考え方を入れないと、現象が合ってこないんですよね。
手っ取り早く、いろんなツールを使ったりして、だいたい計算したりします。
あとは、半導体各社からSpiceモデルの提供があったり、設計支援のツールがあります。
で。。みんなコンデンサもC(容量)だけを入れてない???
例えば、コンデンサのSPICEモデルも用意しているのがMurataです。これなかなかにいろいろなツールがそろってます。
この一番上の段に、コンデンサ類の特性がわかるDBのようなツールがあります。
積層セラミックコンデンサ を クリックすると。。出てきます。
コンデンサって、本物はRもLもある。
コンデンサって、ESR(寄生抵抗)、ESL(寄生インダクタンス)があり、ちょっと高い周波数だったり、矩形波をシミュレーションすると、現実と離れていくことが多いです。もちろん、抵抗や、インダクタンスも、物理的な大きさがあるため、寄生容量などが引っ付いちゃっています。
これのいいのは、周波数特性というタブとか、S-Parameter、SPICE-Netlistというようなものが全部に引っ付いています。
例えば、同じ0.47μFのコンデンサでも、本当なら、右肩下がりになるのが、コンデンサの基本的な特性。でも、インダクタンスがあると、右肩上がりになりますし、抵抗成分も出てきます。例えば、1206のサイズお0402のサイズでは、少し特性が違います。周波数特性をみてみると、左(0402)の方が、ESRは少し大きくて、LCRの共振のようなものは小さい傾向ですね。
SPICEで計算するときは、これらのことも考慮するといいですね。で。。SPICEモデルは、
左上にある Precise(詳細)と、Simple(シンプル)っていうのがあって、右の方のSPICE Netlistというのを押すとダウンロードされます。
SPICEモデルは、サブサーキットモデルとして表現されています
Preciseでは
*---------------------------------------------------------------------- * SPICE Model generated by Murata Manufacturing Co., Ltd. * Copyright(C) Murata Manufacturing Co., Ltd. * Description :1005M(0402)/X5R/0.47uF/50V * Murata P/N :GRM155R61H474KE11 * Property : C = 0.47[uF] * Data Generated on Nov 6, 2018 *---------------------------------------------------------------------- * Applicable Conditions: * Frequency Range = 100Hz-6GHz * Temperature = 25 degC * DC Bias Voltage = 0V * Small Signal Operation *---------------------------------------------------------------------- .SUBCKT GRM155R61H474KE11_DC0V_25degC port1 port2 C1 port1 11 3.44e-7 L2 11 12 1.71e-10 R3 12 13 1.85e-2 C4 13 14 1.47e-5 R4 13 14 270 C5 14 15 1.99e-5 R5 14 15 27.0 C6 15 16 2.19e-5 R6 15 16 3.32 C7 16 17 1.82e-5 R7 16 17 6.94e-1 C8 17 18 1.26e-5 R8 17 18 1.23e-1 C9 18 19 1.78e-4 R9 18 19 1.07e-1 C10 19 20 6.52e-6 R10 19 20 2.21e-2 L11 20 21 2.89e-11 R11 20 21 3.25e-1 L12 21 22 3.26e-11 R12 21 22 7.09e-2 L13 22 23 1.17e-10 R13 22 23 4.03e-2 C14 23 24 5.62e-7 L14 23 24 4.47e-11 R14 23 24 6.54e-3 C15 24 port2 6.13e-12 L15 24 port2 4.16e-11 R15 24 port2 7.77 R100 port1 11 1.06e+8 .ENDS GRM155R61H474KE11_DC0V_25degC
Simpleは
*---------------------------------------------------------------------- * SPICE Model generated by Murata Manufacturing Co., Ltd. * Copyright(C) Murata Manufacturing Co., Ltd. * Description :1005M(0402)/X5R/0.47uF/50V * Murata P/N :GRM155R61H474KE11 * Property : C = 0.47[uF] * Data Generated on Nov 6, 2018 *---------------------------------------------------------------------- * Applicable Conditions: * Frequency Range = 100Hz-6GHz * Temperature = 25 degC * DC Bias Voltage = 0V * Small Signal Operation *---------------------------------------------------------------------- .SUBCKT GRM155R61H474KE11_DC0V_25degC port1 port2 C port1 11 3.18e-7 L 11 12 2.80e-10 R 12 port2 2.33e-2 .ENDS GRM155R61H474KE11_DC0V_25degC
通常は、Simpleで十分ですね。 直列にC-L-Rと並んだ回路です。
これをLtSpiceに、そのまま入れて、AC解析して、インピーダンス(V/I)を計算してみるとこんな感じで計算されます。
上の周波数特性で見たグラフとほとんど同じですよね。例えば、これだと15MHzあたりで、25mΩの抵抗で、それ以上は、ほとんどLとしか見えないんですよね。シミュレーションで20MHzくらいを見たい時は、Cなんですが、Lの値が優位になってるってことを理解しておかないと。。。 なかなか高い周波数でCに見えるCってないんですよね。
こういうの各社出してほしいなぁ~ 測定しなくてもよくなるので。。
でもこういう高周波をうまく測るって難しいので姑息な僕は、サイズとコンデンサのタイプ、耐圧、誤差などが同じなら、だいたいMurataのこのツールのやつを使っておきます(笑) どうしても変だな。。って時は、測りますが、うまく測れないことが多いのよね。そういう時は、回路の定数をちょこっと変えます(笑)
真似したらあかんよ~~ ちゃんとインピーダンスアナライザか、VNAで測ろうねぇ~ 治具とか作って。。
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