新焼却施設の規模は? 事業方式は?  懇談会で、公募市民を交えた議論はじまる

会報環音81号(2017.6.29発行)より 深澤洋子

私たちが小平・村山・大和衛生組合(以下、小村大)に求めていた市民参加は、不十分ながら「新ごみ焼却施設の整備に係る懇談会」に各市1名の公募市民が加わる形で始まり、小平からは当会の深澤が入りました。懇談会自体は昨年12月に始まっており、私たちは5月30日、「新ごみ焼却施設整備基本計画(素案)」が出た段階からの中途半端な参加となりました。
委員となったからには、当会として求めていること、懸念していることについて積極的に発言していきたいと考えています。議論の機会は素案の段階で(5月を含め)3回、9月に素案から「案」に格上げされた後は2、3回しかありません。私が特に注目しているのは以下の4点です。懇談会委員として参加した、6月23日のふじみ衛生組合(調布市・三鷹市)とむさしのクリーンセンター(武蔵野市)の見学会で見聞したことも参考にしました。

1)施設規模の縮小
前号でお知らせしたように、当会は小村大管理者である小平市長あてに、施設規模を<200t/日+災害廃棄物処理量>とする提案を出しました。小村大の当面の想定規模は<216t/日+その10%の災害廃棄物処理量=238t>です。その算定に有料化は見込まれているとのことですが、たとえば小平市の算定基準となった一般廃棄物処理基本計画(2014年度末策定)を見ると、家庭ごみ有料化による減量効果を10%と仮定しています(小平市では今、この基本計画の見直し中です)。しかし、多摩地域の有料化実施市の5年後の減量率を調べると、多くの場合20%を超えています。
また、小村大の試算には現在、原価割れとなっている事業系ごみの手数料の値上げが見込まれていません。「ふじみ」でも「むさしの」でも、建設計画の想定より実際は大幅にごみが減ったそうで、「むさしの」ではリーマンショックと手数料値上げで事業系ごみが9000tから2/3にダウンしたとのことです。吉祥寺などの繁華街を抱える武蔵野市ほどではないかもしれませんが、適正な手数料を設定すれば、小村大でもかなりの減量が見込めるはずです。
災害廃棄物については、「ふじみ」も「むさしの」も施設の余裕の範囲で処理できるとしています。「むさしの」は災害時に溜めておけるようにごみピットを大きくしたそうです。想定される膨大な災害廃棄物に備えて炉を大きくすれば、通常運転がうまくいかない、とのことで、横並びに他の施設の災害廃棄物の割合3~15%を見て10%と想定することに特に合理性はありません。それなら、最小値の3%で十分ではないでしょうか? 人口減少、エコロジー意識の浸透でごみ処理量は確実に減少傾向にあり、なるべく施設規模は絞るべきだと考えます。

2)プラスチック全量焼却
これまでも、不燃ごみとして収集されたものの大部分は破砕・焼却されており、近年、日の出町の二ツ塚最終処分場で埋立処分されるのは、小平市のごみ全体の0.1%程度です。わずかでも埋立を行っているのは、多摩で数市のみとのことです。そこで新施設では近隣の多くの新しい施設と同様、不燃ごみを全量焼却する予定です。
プラ焼却の危険性の問題に長年取り組んできた当会としては、気になる動きです。しかし小村大に頼んで試算してもらったところ、実際には、三市共同資源物処理施設(東大和市に2019年度稼働予定、以下、三市共同)で、今可燃ごみに入れている軟質プラ(きれいなものだけ)が資源化されるようになるので、小村大で焼却されるプラスチックは1500t/年以上減るとのことです。
しかし、様々な添加剤を含むプラスチックは圧縮・摩擦によっても化学物質が揮発すると言われ、三市共同の周辺住民の間には強い建設反対の声があります。また、海に流れ込んだプラがマイクロプラスチックとなり、海洋生物や海鳥の体内に取り込まれ生態系を壊すことも大問題です。本来はプラスチックを生産抑制・使用抑制する仕組みこそ必要で、拡大生産者責任に後ろ向きな産業界に市民として働きかけを続けること、消費者としてなるべくプラスチックの包装・製品を買わないよう努力することが求められている、とあらためて痛感します。

3)重金属類の計測
プラスチック焼却の問題としては、排ガスへの重金属類の排出が心配されます。新しく建設された施設ではダイオキシン排出は著しく低減し、2018年度から水銀も規制値が設けられますが、EUのような他の重金属類(カドミウム、タリウム、アンチモン、ヒ素、鉛等)の規制値はありません。「ふじみ」では一部の重金属類を計測し、結果は地元に報告している、「むさしの」では管理のため非公開で一部計測しているが問題ない結果だそうです。小村大に質問したところ、重金属類の計測も検討する、とのことでした。住民の安心のため、独自の基準値とともに計測結果を公開してほしいものです。

4)公設民営方式
事業方式をDBO(公共が施設を所有し、施設の設計・建設、運営等を民間事業者に15~20年に渡って包括的に委託する)とすることも注目点です。民間活力の導入が眼目で、「ふじみ」も「むさしの」もDBO方式ですが、既存施設の長期包括的運営委託を進めている柳泉園組合(東久留米市・清瀬市・西東京市)に対しては、契約中止を求める住民訴訟も提起されています。
最初に金額を決めて長期委託するので、ごみが減ったとしても儲かるのは委託先だけで、市民の減量努力が報われないのではないか、事故などが起こった時に、企業秘密を理由に情報開示されないのではないか、などの疑問が浮かびます。「むさしの」では、「ごみ減量で市が負担する薬剤費は節約できる。売電収入が委託先に入るようにしていると減った時にペナルティーを取られるので、市に入るようにしている。とはいえ、あくまでもごみ減量が最優先」との説明がありました。小村大は職員がしっかり監督していく、と言っていますが、権限・リスク分担、運営状況のモニタリングの態勢などについて、慎重に検討する必要がありそうです。DBOなら、契約前に、実態に即した科学的なごみ減量予測に基づいて、なるべく小さな施設規模にすることがとりわけ重要ではないでしょうか。
次回の小村大の懇談会は、7月10日(月)夜7時から、4・5号炉ごみ焼却施設3階・大会議室です。素案の議論はこれで最後になります。東大和市駅から15分ぐらい歩きますが、ぜひ傍聴に来てください!

最後にふじみ衛生組合(稼動5年目)とむさしのクリーンセンター(4月から稼動)の見学について。どちらも素晴らしい施設で、ごみがピットの中で撹拌される様子をガラス越しに観察し、焼却、資源化、発電の仕組みなどを、デザイン性の優れた映像、展示で学ぶことができます。「ふじみ」では焼却炉内を撮影しているカメラまで案内され、「小村大のような『神の手』を持つ職員はいないので、AIで炉内を管理しているんですよ」とのことでした。「むさしの」は平日に誰でも入館でき、コンシェルジュやペッパー君(ロボット)が迎えてくれます。ガラスにタッチするとリアルタイムの測定値がガラスに映し出される仕掛けも近未来的でした。外観も内観も相当お金がかかっていると思われますが、また来たくなる場所、居心地の良いコーナーを作ることは大事だと思いました。小村大なら、さしずめ野火止緑道や玉川上水の景観を取り込んだガラス張りの見学コース、足湯への楽なアクセスなどが魅力的ではないかと思います。

ふじみ衛生組合の焼却炉内を撮影しているカメラ
武蔵野の雑木林をイメージしたテラコッタの細い角材で覆われたむさしのクリーンセンターの外観
説明用スクリーンのあるカフェのようなコーナー

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