請願のご報告

請願「中央公園グラウンド改修計画について意見を聞く機会を設けること多目的エリアの人工芝化見直しを求めることについて」の委員会審査結果

中央公園グラウンド改修についての請願は、残念ながら8月26日の小平市議会・生活文教委員会で否決されました(請願についての詳細は前記事をご覧ください)。この委員会には、紹介議員の所属会派である日本共産党小平市議団、生活者ネットワークの議員はおらず、請願に賛成したのは、一人会派と維新の会の伊藤央さんだけで、自民党小平政和会、市議会公明党、フォーラム小平(立憲系)が反対しました。

 最初に請願者代表の深澤が趣旨説明(下記参照)を5分行い、委員からの質問に答え、その後、筆頭紹介議員の水口かずえさんが資料(https://drive.google.com/file/d/1cfMBkYpXATRmQQ2EOvkHmap3PXY34Wci/view?usp=sharing)の説明をし、委員から水口さんや市の担当課への質問がありました。私に対しては福室委員(自民)から、「多目的エリアについて人工芝で整備してほしいということは私が議会で要望しているが知っていたか?」との質問がありました。「それは議員からの要望であって、市民からの意見を広く公平に募ったものではない」と私は回答。また他の委員からマイクロプラスチックの健康への影響について質問があり、体内のマイクロプラスチックの濃度と病気の関係について複数の報告がなされており、「はっきりした因果関係はまだ立証されていないが、予防原則に立ってできるだけマイクロプラスチックを減らすべきだ」と答えました。

伊藤委員は「小平市はゼロカーボンシティ宣言をしているのに、石油由来製品である人工芝を敷いていいのか? 今まで利便性やコストなど目先にとらわれ、環境を壊してきたのではないか? もっと広い長期的な視野が必要」と、人工芝化に反対の論陣を張りました。

 採決の前に昼食休憩を取ることとなり、その間に各会派を回り、どのような修正なら賛成できるか、妥協点を探りました。請願理由を8割方削り、「人工芝」という言葉も「マイクロプラスチック」という言葉も入れない、「広く市民の意見を聞き、反映するよう努めてほしい」というだけの請願なら賛成できる、という会派もありましたが、それでは請願を出す意味がないと諦めました。

 委員会審査後、「マイクロプラスチックの健康被害のエビデンスがないこと・・が判明した」と書いている議員の報告を見て驚きました。「健康被害を示す多くの研究がある」と説明したのに、「マイクロプラスチックは安全だ」とでも言いたいのでしょうか? 「予防原則」を知らないのでしょうか? そもそもマイクロプラスチックが増えること自体が環境、生態系への脅威であるからこそ、2019年のG20では「2050年までに海洋プラスチックによる新たな汚染をゼロにする」という目標を掲げたのです。中央公園グラウンドの30年間のライフサイクルコストの試算では、人工芝は15年目に1回張り替えられるだけです。2050年には、1回目の張り替えをしてから8年経ち、劣化した人工芝から多くのマイクロプラスチックが飛散、流出していることでしょう(人工芝は2、3年で劣化し千切れ始めます)。G20の目標なんて知ったことか、と居直るのか、それとも慌てて人工芝を引っぺがすのでしょうか? それまでにどれだけの人工芝片が海や空に拡散していることでしょう・・

 今回集まった署名は1758筆で、9月9日(火)の本会議で否決されるとしても、それまで集め続けます(9/7必着)。生活文教委員会の傍聴にも多くの方が詰めかけてくださいました。傍聴席に入りきれず、別室で音声中継されたほどです。賛同、ご支援くださった皆さんに心から感謝します。

 この請願では、グラウンド周辺に柵や鍵が新設され、これまでのような利用ができなくなるという問題も指摘しています。中央公園周辺の署名集めで多くの方とお話ししましたが、そのような変更は知らなかった、困る、という声が多く聞かれました。市の担当課は、中央公園で行われたイベント等で「グラウンドでどんなことをしたいか付箋に書いて貼って」と呼びかけ意見を集めていますが、「人工芝グラウンドができるのは嬉しいという意見をいただいています」としか委員会では答弁しませんでした。どうやら口だけで意見や質問をしても記録もカウントもされないようです。多くの人が疑問や異論を付箋に書いて貼り、その写真を証拠に撮ったらどうでしょうか? 次は10月13日(月・祝)の市民スポーツ祭りでそうした「オープンハウス」が行われるようです。請願は通りませんでしたが、今年度はグラウンドの基本設計の段階、あきらめず意見を言い続けましょう!

 なお、今後も各地の自治体で人工芝導入の動きが続く恐れがあります。ぜひ市民から反対の声を上げてください。その際は私たちの作成した資料なども参考になるかもしれません。ご自由にお使い頂ければ幸いです。(深澤)

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