<報告>生ごみリサイクル交流集会 in 多摩 2016(わおん77号より)

生ごみリサイクル交流集会 in 多摩 2016

主催:NPOごみ・環境ビジョン21+実行委員会

6 月 18 日(土)国分寺労政会館において 8 回目の交流集会が開かれました。行政・市民団体・障害者施設の3 者協働によるダンボールコンポストの普及事業について行政と NPO 法人の 2 者から、生ごみのバイオエネルギー化事業についても行政と民間企業から報告があり、生ごみと軽量発泡コンクリート廃材をリサイクルしてできた、屋上緑化用の人工軽量土壌が紹介されました。

行政による生ごみの堆肥化は障害者施設を巻き込んで地域に広がる一方、バイオエネルギー化は、自区内で処理可能でも、家庭系には費用対効果が悪く、辛うじて事業系に適用の可能性を残しています。

段ボールコンポストによる生ごみ堆肥化の推進 !!

小田原市環境政策課ごみ減量推進担当副課長 石井 浩さん

小田原市(人口 19 万 4 千人、世帯数 8 万1千)は、順調に減少していた燃やせるごみが 2009 年以降横ばい傾向となったため、生ごみと紙類をターゲットに減量にとり組んだ。生ごみ対策として段ボールコンポストによる堆肥化事業が推進され、2015 年度末現在、4, 842 世帯に及んでいる。

段ボールコンポストの基材は、障害者施設第 3 ありんこホームで、おが屑、ピートモス、腐葉土、もみ殻、米ぬかを配合して袋詰めにされ、1 袋 300 円で販売される。市は事業参加者に初期セットと初年度2 回基材を無料提供し、生き(いき)ごみクラブが段ボールコンポストの説明・技術指導・参加勧誘に当たる。

市・生きごみクラブ・ありんこホーム、3 者の協力体制で市内の企業、学校、自治会に協力を求めて段ボールコンポストの市内普及を図り、さらにありんこホームの配送能力を活かして、近隣 2 市 8 町への普及を目指している。因みに、生きごみクラブは 2015 年度 3R 推進協議会会長賞を受賞したという。

生ごみ分別収集特別地区事業

千葉市環境局資源循環部廃棄物対策課主査 中野 保さん

2014 年度リサイクル率 33.4%の千葉市(人口 90 万人)は、人口 50 万人以上の都市で連続 5 年リサイクル率 No.1 を誇っている。

2007 年策定のごみ処理基本計画により、焼却ごみを 1/3(10 万t)減らし 3 つの清掃工場を 2 つにする計画をたて、2009 年に古紙・布類は月 2 回から毎週に、可燃ごみは週 3 回から 2 回に収集回数を見直し、2014 年には家庭ごみ収集手数料を徴収し始めた。

生ごみについては、1990 年から生ごみ処理機購入を補助し、2005 年から生ごみ資源化アドバイザーを養成してダンボールコンポストの普及に努め、2007 年~2011 年に剪定枝収集モデル事業を実施して、2012 年から生ごみ分別収集特別地区事業により 4 地区 2,760 世帯を対象に生ごみを分別収集して千葉バイオガスセンターにバイオガス化を委ねている。

こうして毎年ほぼ 240tの家庭系生ごみがガス化されているが、経費は約1,400 万円(トン当たり約58,000 円)に上り、焼却処理より費用対効果が悪い。2015 年までに 3000tという拡大計画は達成されず、千葉バイオガスセンターの増強計画に合わせて事業系生ごみと学校給食残さのガス化が検討されている。

ダンボちゃんで広げよう、地域の繋がりと循環の輪!

NPO 法人あしたや共働企画理事 長尾すみ江さん

この NPO は、1995 年多摩市内に ハンディをもつ人と共に働く場をつくり、現在、「あしたや」(自然食品)、

「あしたや みどり」(古本と雑貨)、「はらっぱ」(永山 公民館売店)の 3 店舗で 50 人が働き、地域循環・ハンディキャッパー支援・フェアートレードにつながる商品を扱い、仕事作り(古紙・廃食油回収、落葉・おからの堆肥化など)に励んでいる。

2010 年多摩市でごみ有料化か実施され生ごみ自家処理にさまざまな補助金制度が生れたことを受けて、NPO は 2011 年 1 月ダンボールコンポスト「ダンボちゃん」を製品化して 1 セット(製品の配達・使い方講習・堆肥回収込み)2,500 円で販売し、市との協働(生ごみリサイクルサポーター)を始めた。

2015 年 NPO は「ダンボちゃん」のリニューアルを図り、多摩市の市民モニター募集の支援を受けて、地元の素材と障害者施設の協力により「リニューアルダンボ」(1 セット(税込み)2,400 円、市半額補助)を製品化した。

2016 年春多摩市は「ダンボちゃん」普及キャンペーンを実施して、100 セット限定のワンコイン(500 円)

「ダンボちゃん」を販売し 300 セット限定で 1 世帯 2 個まで基材を無料配布するなど、市・NPO・市民の協働は目覚ましく進展しでいる。

ほぼ全量廃棄物で人工軽量土壌を製品化

比留間運送(株)副社長 比留間弘明さん

1953 年運送店として創業した比留間運送(本社、武蔵村山市中央)は、村山町(現武蔵村山市)の塵芥収集委託事業を皮切りに、65 年産業廃棄物収集運搬事業、78 年一般廃棄物中間物処理事業、88 年産業廃棄物処分事業(武蔵村山市・伊奈平工場開設)と手を広げ、現在、埼玉県入間市に工場を、瑞穂町とあきる野市に積替保管所を有し、東京都下と埼玉県内の多くの市からの一般廃棄物・産業廃棄物の収集・処理・処分を請け負っている。

生ごみの処理については、伊奈平工場で、武蔵村山市・東村山市・西東京市の堆肥化モデル事業を受託し、入間工場において動植物残さや伐採樹木チップや軽量発泡コンクリート廃材等をリサイクルして人工軽量土壌を製造している。これは生ごみを堆肥化して破砕・粒状化したコンクリート廃材と混合したもので、官公庁・歌舞伎座・東京ド―ムシティーの屋上緑化に用いられ、ヒートアイランド現象の緩和に貢献している。 現在、リサイクル率 88%でさらに 90%を目指している比留間運送は、早くから環境マネジメントに努め、2000 年 ISO14001 認証取得、2010 年 CO2マイナスプロジェクト全国大会『特別賞』受賞、2012 年エコアクション 21 取得・全国優良廃棄物業者(岐阜県)認定など、その業績は高く評価されている。

生ごみを原料としたエネルギー供給事業とその展望

バイオエナジー(株)取締役 岸本悦也さん

2003 年都のエコタウン構想に沿って設立されたバイオエナジー(株)は、大田区城南島に処理規模、固定廃棄物 110t/日、液体廃棄物 20t/日の工場を有し、食品廃棄物(一般廃棄物・産業廃棄物)を受け入れ、メタン発酵システムによって発生するガスによる発電・熱利用その他の事業に従事する。

工場では生ごみをメタン発酵システムに投入し、発生するバイオガス(メタン 60%、CO240%)をガスエンジン発電機に供給して得られる電気を PPS(特定電気事業者)に売電するとともに都市ガス供

給設備を介して東京ガスに売っている。食品廃棄物 100t/日から創られるエネルギーは、電力量

26,880kWh/日(2,600 世帯分相当)+熱量 77,400MJ/日+ガス供給量 2,400Nm3/日(2000 世帯分相当)となり、年間 6,300tの CO2削減効果がある。

今後、植物工場→野菜→家庭・外食産業→生ごみ→バイオエナジー→電力・CO2→植物工場という食の循環やバイオガスから水素を発生させ水素社会への転換に貢献することを展望しているが、採算については、現在の再生可能エネルギー固定価格買取制度によって辛うじて経営がなりたっているといい、周辺自治体の事業系廃棄物の受け入れ手数料が低いことが会社の経営を難しくしていると嘆いていた。 (山脇)

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