【報告・出前講座】知っていますか? 私たちのまちの「ごみ処理施設」が次々に新築・建て替えされます

2月18日(木)午後、中央公民館で当会が企画した上記の出前講座(講師;小平・村山・大和衛生組合計画課木村課長、片山参事)が行われました。参加者24名。

☆ 講師からはパワーポイントを使って約1時間以下の説明がありました。
(1) 3市共同資源物処理施設整備実施計画(2019年度稼働)
予定地;介護施設に隣接し近くにマンションが林立する東大和市暫定リサイクル施設を解体した跡地(約4,300平方メートル)を利用。
対象品目;当初、容器包装プラスチック(以下、容リプラ)、ペットボトル、びん、缶、乾電池、螢光管の6品目だったが、敷地が狭いことや地域住民の理解が得られないことなどから容リプラとペットボトルの2品目に減らされた。
計画処理量;容リプラ 3,776 t/年、ペットボトル1,005 t/年
施設規模;容リプラ 17 t/日、ペットボトル 6 t/日 合計23 t/日
プラザ機能;再生家具等の展示や環境学習機能などを備える。
整備事業費;18億7900万円
建築面積;約2,500平方メートル
維持管理;長期包括契約によるとし、維持管理費は公表されていない。

註;他に小平市リサイクルセンター(敷地;約11,500㎡)の建替えがある。2019年度稼働。
処理対象品目;びん、缶、白色トレー、紙パック、スプレー缶、電池、螢光管など。

整備事業費:16億7,000万円 運営費;年に1億2,800万円~1億7,300万円。
建築面積;約2,200平方メートル

(2) 不燃・粗大ごみ処理施設整備基本計画(2020年度稼働)
予定地;小平・村山・大和衛生組合(以下、小村大)に隣接する小平市清掃事務所を解体し、跡地(約3,700平方
メートル)を利用。
計画処理量;不燃ごみ 5,735 t/年、粗大ごみ 1,437 t/年 合計 7,172 t/年
施設規模;不燃ごみ 26.6 t/日、粗大ごみ 6,6 t/日 合計 33,2 t/日 *現在の施設規模;75 t/日
整備費;27億8,300万円、うち1/3は国の交付金を予定。

(3) 今後の施設整備のあり方について(報告書)・・・焼却施設更新(2025年度稼働)についての小村大の考え方
予定地;小村大の4,5号ごみ焼却施設と粗大ごみ処理施設を解体し、跡地に新しい施設を整備する。
処理方式;全連続燃焼方式(ストーカ方式または流動床方式)
施設規模; 243 t/日。 *現在は3炉で360 t/日。

註;4、5号ごみ焼却施設の解体後、3号ごみ焼却施設のみの稼働となり、その能力135 t/日を超える量は他の自治体
の焼却施設で燃やしてもらう必要がある。(約4年間)

整備事業費;未公表だが、建設費をトンあたり7,000万円と仮定すると約170億円。
それに現在の3炉の解体・撤去費と上記の他の自治体への委託費がかかる。

説明の後、参加者からの質疑応答に入りましたが、対象となっている施設が3つあり充分な討議をするには時間が足りませんでした。

☆ ハード面(施設)よりソフト面(ごみ減量施策)を重視すべきでは?
この質問に対しては、「資源化に取り組むし、分別基準が3市まちまちなのを統一する」との回答でした。会場から、小村大が小平市、武蔵村山市に対し、有料化の早期実施を要請したらとの声もあった。
実は、出前講座のあと、参加者に感想を聞くアンケートを実施して6人の方から回答がありました。
そのなかからいくつか紹介すると、ソフト面の充実について、次のような記述がありました。
・Aさん 新しい施設は分別がもっと徹底できるのか懸念がある。焼却施設の規模243t(日量)とのことで、その根拠が現状の推定ごみ量で、実際のごみ量は減ると思われるが、どうか。
・Bさん 施設だけでなく、三市のごみ、リサイクル、環境を中心とした行政姿勢のあり方の問題を痛感した。
・Cさん 関心の薄い市民の心を動かす取り組みが不足していると思う。
・Dさん ごみ焼却処理能力は[ごみ質]×[ごみ量]が基本です。ごみ焼却処理の経済的、環境的、エネルギー面の経済運転に必要なのは、ごみ種類の統一化、ごみ質の均一化、ごみ量の定量化であり、この点が最重要で、小村大のリーダーシップが望まれます。

☆ 市民や住民との合意形成をどのように進めるか?
上記(3)の報告書のなかで施設更新の課題として、市民や住民との合意形成が揚げられ、合意形成の要素として、①必要性 ②処理システム ③施設用地 ④施設規模 ⑤施設機能 ⑥公害防止機能 ⑦地域還元 があげられている。
ところが、これらの計画や報告ができた経過から考えると、実際にはそれらがいきなりポンと出されて、市民が面喰ったというのが実態と言えます。果して、小村大は市民や住民との合意形成を真剣に考えているのか疑問なのです。
アンケートにもこの点の指摘がありました。
・Aさん 行政が決めたことを市民に説明し、理解を求めるだけで、いっしょに検討していくという姿勢が見られなかったのが残念です。
・Cさん もっと市民の底力を信じて関心を持たせる工夫をすれば、協力者も増えると思う。
・Eさん 三市の共同施設に各市の市民の意見が揃わないのでは、設計上も支障が出るので、三市市民の意見集約が必要では?施設近辺の人の切実な意見を直接聞くことも重要では?
・Fさん (1)、(2)の計画は組合議会で審議されず、全員協議会で説明されただけ。組合議会で審議すべきでないのか?小村大策定の「ごみ処理事業基本計画」も組合議会に諮られていない。小村大にも各市のごみ審(廃棄物減量等推進審議会)に相当する審議会を設けるべきでないのか?

☆ 新しい焼却施設は発電ができるのか?
(3)の報告書のなかには、新しい焼却施設は発電ができるかについて全く言及がありません。その点へ質問が集まり、一気に議論が白熱化しました。高効率発電(施設規模によって異なり発電効率20%前後以上)が可能なら、国からの交付金が1/2になるが、低効率の発電しかできないと1/3になる。更新施設では生ごみを焼却処理するので高効率発電にするのは難しく、1/3になるということであった。

☆ 一部事務組合の問題点
小村大は一部事務組合です。市単独で運営している場合と異なり、一部事務組合の運営は実態が見えにくいという欠点があります。(上記、Fさんの指摘参照)それに扱うものがごみとなると、市民も知らないですめばその方がベターという態度になります。小村大には積極的な情報公開と市民に分かりやすい問題点の提起と話し合いを求めたいと思います。                      (髙梨孝輔)

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