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発酵やってたら、菌が見たくなる
顕微鏡もってたんですよ。小さい時に、親にねだって買ってもらった。いろんなもん見たんですが、流石に菌までたどり着かなかった。この間実家に帰った時に、顕微鏡類を発掘してきました。
で、昔作ったプレパラートで、杉の細胞を見てみました。撮影は、スマホを接眼レンズに直接つけて、撮ってみました。
まずは、50倍
古い顕微鏡なので、レンズがかなり汚れてますが・・見えます
そして、最高倍率の900倍で見てみます。
見えるではないですか! 子供のころは、顕微鏡でピント合わすだけで数時間もかかって、どうやったら見えるのか?凄く苦労しました。いや。。遊びまくってたんですよね。
これくらいで、見えるなら。。。ひょっとして菌も見える?? 染色キットはないけど。。ドライイーストを思いっきり発酵させて、それを見てみました。。
な~んか?見えるぞ!!(笑)
この粒粒は、実は菌ではなさそうで。。。 ドライイーストに入っている小麦粉!(笑)
そういえば、小麦粉ってどれくらいの大きさだっけか?(笑)
小麦粉の粒度って、だいたい数μm(ミクロン)から100μmの大きさだそう。思っていた大きさより小さいんですね。ちなみに硬質小麦(強力粉)ほど、小さく砕かれやすいとか。。
そういえば、菌の大きさってどれくらい??
見たいのは、乳酸菌(ヨーグルト発酵)や、イースト・酵母(パンやアルコールの発酵)、クモノスカビ(麹)など。。
だいたい大きさは
1μm~100μm の 大きさのものなんですね。ほとんど小麦粉の粒子と同じ大きさ(笑)
知らなかった。これらの大きさのものを見るには、光学顕微鏡で見れるのか??
光学顕微鏡により細菌を観察する場合には,通常1000倍の倍率が用いられます.さらにその微細構造を観察するために,電子顕微鏡が開発され,様 々な微生物の研究に用いられています.電子顕微鏡は電子線を一種の光源として利用したもので,一般にその分解能はnm(n:ナノは10-9)レベルです.
だそうですね。
で・・目の分解能って0.1㎜(100μm)らしいです。だから、カビが見えるんですね。で、カビを見るなら、10倍でも1㎜に見えるので、見えるってこと。だとすると1μmくらいまでなら、顕微鏡の拡大率が1000倍くらいあれば、なんとか光学顕微鏡で見えるらしい。僕の持っている顕微鏡は900倍まで見れるので、なんとか使えそうってことが分かりました。
別にデジタル顕微鏡っぽいのもいらなくて・・撮影するだけだと、スマホを持っていれば
こんなのを持っていれば、撮影できるみたい。(実際、接眼レンズにスマホをあてて上の写真も撮ってますから。。これあると便利そう)。また、カメラを持っている人には、こんなアダプターもある。
菌を同定しようとすると・・・
菌の種類を同定するには、試薬を入れてその反応をみるようで、顕微鏡で見てもわからないっていうのが、通説。なぜならとっても種類が多いのと、菌自体の寿命が短いこともあって台替わりが早く、DNA同定をしないといけないからのようです。
ここには、
細菌: | 形態観察・性状試験を基にした同定試験 同定キット(APIシリーズ)による同定試験 DNAを用いた試験(塩基配列の解析) |
酵母: | DNAを用いた試験(塩基配列の解析) |
カビ: | 形態観察を基にした同定試験 DNAを用いた試験(塩基配列の解析) |
って書かれていますし。。
ここには、
確かにそうでしょうね。そこいらにいくらでもいる良性の菌は、同定しなくてもいいから。。(笑)
それでも顕微鏡で見るには??
実は、中学生くらいの知識で、そして、手に入る染色液で、乳酸菌やイースト酵母は見えるようです。
岩手県の教育センターの資料をまずは見つけました。
ここの高校生用のサポート資料に
23 乳酸菌の観察 | ||
24 アルコール発酵 | ||
25 空気中に浮遊する菌類の観察 |
こんなページがあります。見たい人は良く読みましょう(笑)
乳酸菌の観察(40 分)
① ヨーグルトを綿棒にとり、スライドガラスに薄く塗り、自然乾燥させる。
② ヨーグルトを塗った部分にメタノールを滴下して自然乾燥させる。(固定)
③ スライドガラスに酢酸ゲンチアナバイオレット染色液をかけ、1から2分程度おく。
(染色)
④ 水を蛇口から細く静かに流し、スライドガラスの裏側から水をかけて染色液を洗い流
した後、裏側の水を拭き取る。表に、カバーガラスをかけて鏡検、スケッチをする。
理科の実験室でできそうです。で・・・家庭でやるには?(笑)<やるのか?(笑)
食品の醗酵にかかわる菌の研究 という中学生の文献が出てきました。凄いですね!
- 菌の顕微鏡での観察
菌はグラム染色をして顕微鏡で 1,000 倍に拡大して観察した。グラム染色の手順は以下
のとおりである。
①観察したい検体をスライドガラスに塗り広げ、乾燥させた。
②ガスバーナーで加熱して固定した。
③グラム液で1分間染色後、水洗。
④ヨード液で1分間処理後、水洗。
⑤アルコールで30秒間脱色。
⑥サフラニン液で1分間染色後、水洗。
見かた自体は、実はそれほど難しくないのですが、顕微鏡で見る時のために、菌の動きを固定したり、細胞壁を染色したりしなければなりません。
簡単に手に入るもので必要なものを、少し列挙しながら調べてみましょう。
染色液
染色液 : サフラニン、ニュートラルレッド、ヤヌスグリーン、エオシンY、メチルグリーンピロニン、ライトグリーン、ゲンチアナバイオレット、メチレンブルー、ヘマトキシリン
が入っているそうです。
染色液 : エオシンY、メチレンブルー、サフラニンO、アセトカーミン
何やら難しい染色液の名前ですが、これらは、グラム染色という細胞の部位が色に染まるか染まらないか?で、菌の種類を見つけたりするもので、染まることを、どうもグラム陽性、染まらないことをグラム陰性というらしい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/染色_(生物学)
で・・乳酸菌の球菌・桿菌、酵母菌などは、ほとんどがグラム陽性のようです。
染色液 | 色 | 染色できる部位 | 備考 |
メチレンブルー | 青 | 核 | イソジンやオキシドールでも代用できるようです |
ヤヌスグリーン | 青緑 | ミトコンドリア | |
ニュートラルレッド | 赤 | ゴルジ体 | |
サフラニン | 赤 | 細胞壁 | |
アセトカーミン(酢酸カーミン) | 赤 | 核 |
って考えると、メチレンブルーと、サフラニンがあれば、核と細胞壁が青と赤で染まっているみたい。またメタノール、エタノールで溶かしたりするのに必要みたいですね。
グラム染色についてもっと知りたい方は、感染症などの参考資料を見てみると面白いです。
― グラム染色を10倍楽しくする ―グラム染色の見方・考え方
菌を培養するのに、こんなのもあるといいのかも
単種培養をするには、ペトリ皿に培地を作って、そこで培養するといいようですね。菌はコロニーを作って増えるので、菌の種類を分けるのに、このような培地に菌を振りかけて、コロニーを作らせて、そのコロニー自体を見ると違いがわかるそうです。顕微鏡いらんがな(笑)
単純に粉末寒天と、でんぷん系のもの例えば片栗粉でもいいのかも。。ポテトデキストロースは、デンプン系で、酵母や麹などが、繁殖しやすい。乳酸菌などは、ブドウ糖らしいので、砂糖水と寒天でいいようです。寒天培地を見てみると楽しい
カビ・酵母類を増やすだけなら、こんなのもいいかも。。
そもそも、天然酵母というか自家製酵母の場合の、液だねって、この培地なんですよね。レモン酵母には、レモンについた菌が発酵するというより、レモンが培地になって発酵しやすい菌が増える。リンゴ酵母も、小麦酵母も。。レーズン酵母もそう。それぞれで特性が違うのは菌の種類が違うから。。
発酵デザインラボ DIYバイオファクトリー?
ひょっとすると・・・ いろんな自家製酵母を作って、その培養液と寒天で培地を作って、単種培養をして、それをグラム染色して、顕微鏡でとって、いろいろ分別して記録しておいて、それらをデーターベースとして、その顕微鏡写真と、新しい菌を顕微鏡写真として比較すると、どんな菌か、ある程度の同定ができるのかも??
そんなめんどくさいこと。。 少しだけやるかも(笑)
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