【読書感想文】ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか タブーへの挑戦・逆張り【誰も賛成しない本質】

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久しぶりに、ガツン!ってくる本でした。

この本ベストセラーになるのがうなずける内容でした。まず、逆張りをする投資家として有名なのだそうですが、この本を読むと、逆張りということではなく、現在のアメリカ・シリコンバレーの危機感に対する、ピーターティールの答えなのでしょう。日本にも全く同じ宗教にもにた競争主義教・未来はわからない教などがはびこっています。

官僚主義・競争主義・ヘッジ・・・これらは、何も社会を変えていないこと、頑張っても利益があがらない社会を作ってしまっていることを指摘しています。社会システムを変えることに対して、もっと真摯に、一人に対して一つづつ、多くのことをやらずに、楽しいと思える仲間と、真剣にやろう!ってことが書いてあるように思いました。

また、ロースクール出身なのに、テクノロジー信者であること、指数関数教の信者でもありそうです(笑)

未来をつくる一歩は、自分の頭で考えること

未来は勝手に起こるわけではない。宝くじでもなく・・・ある成功したスタートアップも、その時に起こったので、成功したわけで、同じことをもう一度やっても成功しない。企業は実験でないので、統計的に成功する確率を言ったところでまったくもってナンセンスであると。。

そして、未来は勝手に良くなるわけではない。今僕たちが未来を創らなければならないということだ。そのゼロから1を生み出す、第一歩として「自分の頭で考えること」だと。

では、何を見つけるのか??

「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」

基本は、「目の前にあるのに見えないという意味で隠れた真実」を見つけてそれに変化を与えること、それが社会変革・イノベーションなのである。ということを言っているように思います。僕なりの表現にしてみると、「タブーだと思っていることに切り込めることをしないといけない。」「本当はこうする方が効率的だったり、合理的だけど、なぜか、こんなやり方になってる。ということを見つける。」っていうことからもしれないです。これを見つけ、テクノロジーによって、明るい未来にして行こう!ということが書かれていることの一番の思いなのではないかと、思いました。

空飛ぶ車が欲しかったのに、手にしたのは140 文字だ
「もし本気で長期的な人類の発展を望むなら、ただの140 文字や“永遠の15 分” を超えた未来について考えなければならない。ZERO to ONE はシリコンバレーを教科書に、難題を克服してこれまで存在し得なかった偉大な物事を築きあげるための本だ」 by Peter Thiel

ティールは、Facebookの最初の外部投資家として50万ドル融資し、それが最終的には10億ドルになったことで有名ですが、上のコピーはTwitterを揶揄したものですが、Facebookを含めたソーシャルネットワークサービスがティールにとっては小さかったということを示しています。

けっしてFacebookやTwitterを否定しているわけではなく、それが最終目的ではない。っていうことを言いたいのだと思います。

「競争は資本主義の対極にある」

競争状態について、ティールは、できるだけ避けることを推奨しています。これは何に対してものようです。投資、スタートアップ、マーケッティング、技術。。スタートアップの仲間づくりにさえも、そういっています。独占についてはGoogle、Microsoft、Amazonなどを例にあげて、一つのテクノロジーによるマーケットとしての独占を言い、一方でもう少し広いマーケットとしては独占にあらずと言っています。

僕たちはイデオロギー(これまでの学校教育の中で)として競争がイノベーションやマーケット拡大に必要で、それが一番正しい方法だと思っています。しかし、実際は、独占状態があって初めて余裕がでて、イノベーションが進化することを、この本では語っています。確かにPCのOSを抑えたからMicrosoftでいろんなイノベーションが出てきた、検索で独占できたのでGoogleは今の地位を築いたと・・・ 独占を築くには、前述の「隠れた真実」に切り込む必要があるのです。

エネルギー2.0

ITバブル、グリーンバブル、社会起業ブームなどの失敗をズバッと書いてくれています。そして、イーロンマスクのテスラの話を書いています。独占・隠れた真実・・・見つけることは難しいけど、エネルギーの問題は、当面の大きな問題であり解決しなければならない課題だと。。

ピーターティールをもっと知ると、より理解が深まるかと・・

ただ少しわかりにくいというか、逆説的に言っているというか、単独の言葉で理解できないところが難点かあります。

「リーンスタートばかりじゃだめ」といいつつ。。「独占を築くためには、ニッチなマーケットで独占し、そこから広げないとだめ」とリーンに近いことを言ってたりします。ラストムーバーアドバンティジ(終盤を制する)ってありますが、最後に動くっていう意味じゃない。。

そのあたり、①糸井重里との対談や 蛍光ペンの交差点の②本年度のビジネス書大賞を受賞した『ゼロトゥワン』を何故あらゆるビジネスマンが読むべき

を読むと少し理解が深まるかもしれません。

資本主義者は資本を蓄積しますが、完全競争の世界では、
「すべての利益が競争によって失われていく」と私は思っています。 ①

テレビのコマーシャルを見て信じてしまう人なんているのか、
などと馬鹿にするのは簡単ですけれども、でも、私たちはみんな、
おどろくほど簡単に騙されてしまうわけです。
他の人ではなく、自分たちこそ、こういったワナに陥る危険があるわけです。 ①

著者ピーター・ティールは、失敗者である。
この点を読み逃すと、彼の主張が正しく捉えられない。 ②

あと用語としては、このあたりを知っておくと、よりよくこの本を読むことができると思います。

ペイパルマフィア

リバタリアン

なんにせよ、この本おすすめですね。。

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