スキッド角はシャーシーの垂直方向の動きに対して、サスアームの動作量を決める重要な部分です。
これからの説明には、お手元にRCカーを置いて実際に動かしてみると解かり易いと思います。
また、ダンパーを外しておくと、サスアームやタイヤの動きがより解かり易いと思います。
「スキッド角とサスアームの動作量の関係」
スキッド角はご存知の通り、シャーシーについている角度であります。厳密に言えば前後バルクヘッドです。
シャーシーの動きは地面に対して垂直運動しかしませんよね。ココを頭に入れておいて下さい。
「スキッド角が0度の場合」
サスアームはシャーシーに対して平行に付きます。
シャーシーをバンプさせてみます。
シャーシーに対してサスアームに角度が付きますよね。
仮にシャーシーが1ミリバンプした時、サスアームが内側の支点より1ミリ動く所をAとします(図3)
このAと言うポイントは、シャーシーの動作量に対して常に同じ量だけ動く事になります。
何故なら車を横から見た時、サスアームはシャーシーに対して平行に付いているため(図3−1)
シャーシー、もしくはサスアームが上下運動をしても、サスアーム自体は常にシャーシーに対して垂直運動しかしません。
また、シャーシーが地面に対して平行なら、サスアームも地面に対して垂直運動(赤い実線)しかしないということになります。
次に…・
「スキッド角がある場合」
横方向から車を見た場合(図4)、サスアームの前方向部分は若干上を向いた格好になりますよね。
シャーシーを上下運動してみましょう。
サスアームはスキッド角が付いている部分はシャーシーに対して垂直運動(赤い点線)をしますが
地面に対しては垂直運動しません。(図5)ココを覚えておいて下さい。
先ほどの図3にあったAのポイントをスキッド角のあるサスアームに持って行きます。
図6を見てください。シャーシーを真上から1ミリパンプさせます。
するとシャーシーは赤い点線の方向に移動しますが、サスアームは赤い実線の方向に動作する事になります。
「スキッド角がある時と無い時との違い」
図3−1と図6とを比べてみてください。
サスアームの動作方向が明らかに違っていますよね。ココがポイントです
図6で説明した場合、Aというポイントは赤い点線方向にシャーシーが移動した量と、赤い実線方向に移動した量は
Bという角度差があるので違ってくるのです。
図7を見てください。
赤い点線を底辺にして直角三角形を作ります(グレーの三角形)。
さあ、a、b、c の各辺の長さを求めてください。
皆さん、直角三角形の辺の長さの求め方は覚えていますか?
1:2:ルート3でしたよね?
1:2:ルート3はa:b:cになるわけです。
というわけで、もうお解かりになりましたよね?
スキッド角がある場合は、シャーシーの赤い点線方向の動作量より、赤い実線方向の動作量の方が
多いという事になります。
「スキッド角についてのまとめ」
…自分なりにまとめて下さい。がははは!
「付録」
キャスター角については、自分で一輪車(ペダルがあるやつじゃなくて)を押す姿を想像して下さい。
おいらの経験では、持ち手を上に上げて走った場合、良く小回りが効くのですが、直進性が悪いです。
逆に持ち手を低くして走った場合、直進性は安定するのですが、小回りが効きにくくなりました。
これがキャスター角の原理だと思います。解かりますか?
これはおいらの持論ですので、聞き流してください(^_^;)
アッカーマンは、持論ですがコーナーに対して内側のタイヤの動作量が効くのだと思います。
以前、片側のナックルを破損した際、破損したナックルの方向に曲がらなくなったと言うのが
その理由です。