建物はどこで?
2003.11.28
2004.1.4
いろんな情報がある中で、自分が経験してきた中から、
技術者&研究者の端くれとして、家のいろいろなことについて
考えをまとめてみました。
- 物作りで大切なものって?
ものづくりに共通する大切なことって、施主にとっては”情熱”と”思い入れ”、設計段階では、”コンセプト”と”アイディア”、また、作る段階では、”正確さ”と”工程”だと思っています。
たとえがラジコンになるのが悲しいですが(笑)。。
同じキットを買ってきて、作ったとしてもその作り手の技量によって、出来上がりが
全く違うし、見てくれも違えば、走行特性も違う。技量というのは、その作り方の正確さ
だったり、作る順番だったりします。うまく摺り合せをする。間違ったらもう一度やり直す。
まずめんどくさがらないできちんと作るということそれが大事なんですよね。それができるには
設計の意図を理解できる経験が必要だし、実際に走るイメージがないとダメなわけで・・
研究や開発でも、まず企画の段階では、情熱をもった研究者・技術者がいるか?
そして、思い入れのある技術があるか?それを生かしたマーケットを作りだす情熱があるか?
が大切で、思い入れのある技術がなければ、その人でなくても良いわけですし
それを絶対生かすんだという情熱が大切なんです。コンセプトは、それを具体的に
どういうところを特徴づけるのか?そして、分かりやすく説明し納得できるように
するテクニックだと思っています。それと、経験から出されるアイディアを付け加えることで
より具体的になります。
家造りとはぜんぜん関係ない話になっていますが、そんなチームを作れるかで
出来上がりが大きく変わってきます。で、チームにとって一番大切なのは、”信用!”
これに尽きます。信用はなかなか築くことは難しいですが、壊すのは一瞬です。
信用というのは、お互いをよく知り、お互いの望むことを理解し、それをお互いが
実行する。ということで、何も大きな会社だから・・とかでかい仕事をしたことがあるから
とかそういうことではないです。。ってまた家作りとは関係ない話に(^^;
で・・そういう信頼関係を作れるチームが作れるのかどうか?が物づくりでは
一番大切だと思っています。さて・・・うまく機能するか?は出来上がってみるまで
分かりませんけど(笑)
2003.11.28
- 構造について
3匹の子豚を考えると・・中国四千年の歴史でも、世界史をさかのぼっても
石で出来た家がオオカミにやられないというのは自明ですが(^^;
そういう話ではなく、一般的には・・
- RC造
- 鉄骨軸組み工法
- 鉄骨パネル工法
- 木造軸組み工法
- 木造パネル工法
などなど、それらの組み合わせとかいろいろありますね。
RCは、(ラジコンじゃないの・・)レインフォーストコンクリートの略で
鉄筋コンクリートでできたやつです。小規模なものではこれが一番強いですね。
で・・・
構造については、いろいろあるけど、ちゃんと設計されて、ちゃんと
作れば、どれも一長一短あり、ちゃんと設計されて、ちゃんと作られるということが
大事なのかな?って思ってます。それぞれの短所も設計によりかなり
改善されるし、長所も悪い設計だと生きてこないし。。なわけで
私は、自由度が高くて、それで予算的にも自由度が高い(^^;木造軸組みにしました。
2003.11.28
実は仕事で電磁波シールドなどの施工や設計などに立ち会うというか監修というか
そういうこともするのですが、通常はやはりパネル工法が部材を少なく強度を強くできます。
窓や扉などの開口部がなければパネルは確実に強いです。でも狭い土地になんとか
立てる家では、なかなか開口部を狭くするのは難しく、強度を確保するにはやはり
軸や柱で持たせておかなければならないことが多く軸組みだけで強度を確保して
おきたいというのが本音です。構造上の強度は軸組みで確保して、軸間のたわみを
補強する意味でのパネルはめ込みが個人的には好きなんです。
あと、補強という意味では、釘って当てにならないのですが、パネルを釘で
打ち付けるっていうやつは好きになれません。釘を何本か連続で打ってみると
分かるんですが、隣の釘をうつとその隣の釘が浮いてきますよね。振動させると
釘って浮いてくるんです。なので、構造上強度が必要なところ特に釘に対してせん断方向に
力が働く場合は、貫通させて両側から抑える構造でないと意味ないですよね。
どちらかというと、構造云々というより、そういった個々の力の向きとか
力を受け止める個々の構造物の方が重要な気がします。それって建築では金物っていうらしい
ですが、あまり詳しくないのでよくわからないですが、建築途中ではチェックしてみたいと
思っています。
2004.1.4
- 高気密高断熱?
どこをみても、こだわりの家では、かならず高気密高断熱なのですが、
高気密にすれば、高断熱というわけではないですし、高気密高断熱にすれば
結露を起こさないっていうわけではないことを実体験として知っているだけに
各社で聞いてみて、「ここは結露しません!」と断言する会社は少々信用が置けませんでした。
仕事の関係で、えらい寒い日本海側とか、熱帯のマレーシアとかで雷の観測をしていたころのことです。(過去形かぃ?)雷は、雨っていう字に田って書くように、雨がつき物です。しかし観測機器やセンサーやアンテナ類は、水にぬれるといいことありません。なので普通高気密高断熱にするのですが・・・本当の意味で真空に中身をひいて・・あるいは中に窒素ガス等を充填させ高圧にしておくと、確かに結露しないのです。(真空にすると、空気中の水分も取り除かれるので、壁面の温度が上昇・下降しても結露しない。また負圧や高圧になっているとパッキン等も圧がない状態よりもよく効きます)1年もその状態を確保するのは至難の業です。30cm四方の大きさのものでも、なかなか1年はその気密性を確保できません。たいてい、結露どころではなく・・・水浸しになっていることが多かったです。
ケーブルなどの出入りがあると、気密を守るのも苦労しますが、それよりも、
これは、内側の温度と外側の温度差ができると、多少でも空気中の水分があれば、壁面が結露します。
大抵の場合、内側の温度が高い場合、内側に結露します。だから高断熱をしなければ結露がひどく
なるんですが、1年で考えると家にしろ、計測ボックスにしろ内側と外側の温度差が逆転するので
どちら側にも断熱材がいることになってしまいますし、真空断熱でもしない限り空気を介した断熱材ではやっぱり断熱材が吸湿材になっていることが多く、じめっとした状態になっていました。
で・・そういう経験から、最近は、ボックスを2重構造にして、直接の雨よけ部分とファンをつけた
空気を沢山回す部分に構造を変更しました。多少がらは大きくなるのですが、この構造を採用して
からは、観測で失敗は皆無です。(他の要因で失敗はありますが)肝は、空気をきちんと対流させて
あげるということのようです。そして、温度差を内側と外側で作らないっていうのがいいようです。
また空気は対流しているといいのですが、滞留するとよくないようです。まぁ同じ構造の部屋が2つつながってあり、ドアで仕切られている状態で二つの空調機を別々に置いて、違う温度設定にしておくと、温度が低い部屋は必ず結露します。
という経験談があり、結露させないってことはむちゃくちゃ難しいってことがわかっています。
それを、結露しません!って断言できるのはすごいのですが、どこも納得のいく説明をしてくれません。しかも24時間換気が義務化されているので高気密にはならないでしょうし。。
ということで、まぁ水がじゃじゃ漏れになるというのは困るのですがある程度の通気性が自然に
出てくるくらいがいいのではないのかと。。。基本的には部屋別で空調もするのである程度は
結露するのは仕方ないとして、結露が問題になりそうな場合、きちんと空気を対流できるような
仕組みにしておくのがいいと思っています。高気密・高断熱を否定するつもりはありませんが
私は、高断熱で高対流が本当はいいのではと思っています。
ところで、空気の対流ですが、これもシールドなどをやっているといつも機械の温度上昇にも
悩まされます。空気は入口があると、出口も必要で、右から引っ張って、右から吹くと中では
ほとんど対流してくれません(外でもですが・・)。ショートサーキット(短い回路)を起こして
しまいます。今のところ設計上、給排気が同じところにある24時間換気ユニットを使って
いるのですが、これは、設計変更をして欲しい点です。何度も設計屋さんには言っているのですが
計算しているから問題ないという回答・・もうちょっと言ってみないといかんなぁ(^^;
吸気口と排気口の距離をとっておくのは非常に重要なんですけどね。ちなみに、ダクトで引っ張ってくる方法は採用してません。これは、空気にも抵抗があって、ダクト長がかなり違うところを同じ圧でひっぱってくると、並列抵抗に流れる電流と同じで、各ダクトでは流れる空気量が違うはずですよね。ということは、ほとんどは空気が流れやすいところだけ対流していて、流れにくいところは対流しないということで・・・うちの場合は、個別型にしてもらいましたが、どこの建築現場を見せてもらっても
「空気の対流を計算して設計されております。」という割には・・・ダクト同じ径で、ダクト長が違うし、折れ曲がり抵抗とかまで計算しとんのかぃ!って突っ込みたくなるものが多かったです。それを踏まえて、個別型にしてます。
2004.1.4
- 欠陥住宅?
建物は、ある意味、「クレーム」がつき物です。施主の思い入れと出来上がってきた
ものとの差があれば、クレームがでます。クレームと欠陥とは全く別モノです。
テレビや雑誌などで、欠陥住宅についてよく取り上げられています。会社のOBの人でも
某大手有名メーカーで家を建てたのですが、欠陥住宅らしく、裁判中という話も聞いていました。
また、宮崎さんからも欠陥住宅についてよくラジコンしながら聞いていました。インターネット
でも、沢山の欠陥住宅についてのHPがあり、家を建てるとなるとやはり、欠陥住宅になるの
じゃないかと、心配になります。
いろいろ総合してみると・・・
もともと、誰も欠陥住宅を作ろうとして、作ったものはない。ということ。
また、素人判断や、まぁええか?というちょっとした施工のいい加減さが欠陥住宅を
産んでしまうということが分かってきました。
これって、ラジコンでもそうですし、モノ作りすべてに共通していることですね。
それを防ぐには、まず、土地の地盤がどうなのか?設計段階での不具合はないか?
基礎は大丈夫か?柱の数は?金物は?などなど素人では分からないこと多すぎです。
また、契約を交わしてから、建築途中で、欠陥が見つかっても、工務店・メーカの
変更がきかないということもあります。
自分自身でチェックしていくほかない!とよく書かれているんですが。。
チェック項目をいくら網羅しても、また建築のことを勉強しても、にわか勉強では
知識ばかりで、実際はどうなのか?経験がなければ的確な判断ができなさそうなことも
分かってきました
ではどうするのか?というと、いろいろ判断でき、信用できる玄人を探すしか方法はなさそうです。
あと、施工に対して監理してもらおうとすると、あんまり優しそうな人では信用できない。
ということもあります。それと、いろいろなHPなどでの傾向を探ると、建築途中から
そういう信用できる玄人を入れた場合、建築途中で欠陥が見つかることが多い
のにも気が付きました。やはり最初から、そういう人は入れておかないと、
土地・建物などのバランスや土地の不具合をカバーした建て方など
手遅れになる前にやっておかなくてはいけなさそうです。
ということで、実は土地選びの段階から、信頼できる仲間や、友人、知人の建築
不動産関係の人に、相談しまくり、いろいろな考え方を教えてもらいました。
それで、まぁ最初は、マンションを探したり、建売を探したり、メーカを回ったり
していたのですが、相談していると・・・土地を探して、家を建てるということに
なっていったんです。
- 地下室?
地下室は、延べ床の三分の一までは延べ床に参入されないということをインターネットで
しりました。凄い広い土地を買えれば・・・地下室なんて考えないのですが。。
また、三階建てが立つような土地も、やっぱり値段が高い傾向です。
で、地下室つくると、それもまた値段が高いです。
はじめは、地下室ができれば、いいなぁ〜っていう感じで考えていたのですが、
いろいろと地下室について調べているうちに、うちの予算の中でもできる方法が
ありそうな感じがしてきました。安くできる工法としては鉄板でできたユニットを入れる方法や
北米等でよく使われている発砲スチロールを型枠として作る方法などです。
これらは、坪単価60万円代からできると言われています。実際いろいろ見に行きました。
どこも、湿度も少なく、快適そうでした。
実は、うちの家を設計してくれた宮崎さんは、当初、地下室には反対でした。
なぜかって、水が怖いとか、湿っぽいとか、そういうことをうまくクリアできない
かもしれないという経験と、値段も高くなるし。。掘ってみないと水が
出てくるかどうか分からない。という理由からでした。
実際、家にも地下室があって、夏の雨の日に見に行ったのですが、空調もきかせてないのに
湿度も大してなく、成功しているように思えました。で無理を言って夏でも
カラッとしたのを作って(笑)と言ったのですが、絶対、夏は湿っぽくなるって・・
というのもきかずに、作ってもらいました。(笑)ただし、宮崎さんからの条件として
「絶対に、地下で寝ないで・・」ということでした。
ちなみに、高気密高断熱?のところでも書きましたが、地下室で夏湿っぽくなるのは
地下の壁が外気に対して冷たくなり、壁に結露を起こすかららしいです。
で、スチロール型枠などでは、両面に断熱材が入っているので、結露は起こりにくい
ようです。あと、気になるのは地下水の浸入です。地下室を作る場合、RC造に
なることが多いのですが、作る段取りとしては、床をコンクリート打ちし、その後
壁を打って行きます。その時に、床と壁の間のコンクリートは厳密にはつながらない
らしく、その間からしみこんでくるそうです。地下水位が床より高いと、防水パッキンを
間に挟んでも、やはりしみこむらしいということです。鉄板ユニットなどでは
そういう心配は少ないようです。それで結局いろんな工法を調べてみたんですが
鉄板ユニットは予算に合わず、スチロール型枠では、一部地下にすると基礎との
取り合いがうまく作れなさそうということがわかり、結局コンベンショナルな
方法で作ってもらうことになりました。
普通にコンクリでつくり、外から防水をし、その外からと内側からも断熱材でサンドイッチに
するという方法です。これだとコンクリの状態も目視で確認することもでき、基礎との
取り合い部分もバットでつなぐことで、強度も保てるようです。
まぁ住んでからでないとその結果はわかりませんが、一番正直に長所・短所を説明して
もらって納得して作ってもらっています。
- 要求条件?
主に妻が考える要求条件は、ここに書きました。
だいたい私と同じようになってます。まぁ話で作ったんだから同じですが(爆)。
また・・追加します(^^;
2003.11.28
- ということで・・
土地を購入する以前から相談に乗ってもらっている建築事務所(ミツマサコーポレーション)さんに
設計・監理を頼むことにしました。施工の方は、3社で見積もりをとってもらい
その中で、一番安かったというのもありますが(^^; 社長の人柄で(うちの嫁さんの感が大きかったですが(笑))
円宏産業さんに頼むことにしました。
最後の最後に、両社の了解を貰ってから。。(ってここに書いてある内容で
了解もらってから書いていることは全くないですが)坪単価も書こうかな?って思います。
この組み合わせで、この仕様でこの大きさで、地下室まであって。。
この価格はたぶんすごく安いかもしれません。
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