【読書感想文】食用油でBDF、エネルギー作ろうかな?手づくり油読本

もともと、発酵に興味をもつようになったのは、アルコール燃料を作るってどうするのかな?って思ったから、たまたま河内ワインに行ったり、天野酒の蔵元にいったりして、いいぶどうジュースや、酒粕を手にいれてしまい。アルコール発酵について、いろいろ実験してみたりしました。アルコールについては、また別のページで書こうと思いますが、バイオエネルギーのひとつに、食用油があって、ひまわり油、なたね油、オリーブ油、ごま油など、それらと、アルコールを混合させると、バイオディーゼルフューエル(BDF)ができて、ディーゼルエンジンが動くそうです。ネットでもいろいろ出ていますね。それで、興味が沸いて、この本読んでみました。

手づくり油読本 です。

サブタイトルにあるとおり、栽培方法、その油の食用での特性、歴史、緑肥としての特性から、バイオディーゼルフューエルの作り方まで、それぞれ実践的な事柄が紹介されています。食用の油は、日本で精製されているけど、原料のほとんどが、カナダ・オーストラリアあたりから輸入されているんです。油という油は、全部海外製な日本ですね(笑)。小麦も海外製が非常に多い。エネルギーと食料を海外に完全に頼り切っている国って、成り立っているということが非常にすごいことなのかもしれませんね。

スポンサーリンク
広告

ヒマワリとナタネの栽培

本では、栽培などについては、ひまわり と なたね が詳しくのっています。

ひまわりは、根が大きく深くなるので、連作をすると、畑を耕耘してくれる作用があったり、VA菌根菌というリン酸(P)をかき集めてくれるので、小麦などをそのあとに植えると収穫量が増大することとか、緑肥としての効果も抜群のようですね。ひまわりの種類も、花用から油用まで沢山のことがらが、載っています。

なたねは、種類によっては、食用油としては、ダブルロー品種というものでないと、いけないらしい。キャノール油ってナタネ油なんですね。エルシン酸と呼ばれる脂肪酸が2%以下というものらしいです。エルシン酸が多い油は、心筋などに病変を起こす可能性があったらしいです。それと、グルコシノレートという甲状腺障害に関与する含硫化合物も減らしたものが主流とのこと。。 それと、ひまわりと違って、緑肥にすると、発芽を抑える動きがあるようで、連作には注意が必要なんてことが、細かく・詳しく載っています。

油の作り方

油の作り方については、ほぼ全部網羅されているのかな?搾油の方法も、細かく砕いて圧搾するものや、焙煎して、砕いて、蒸してとか、オリーブオイルのようにただジュースのように絞るだけというものまで紹介されています。少量を絞る絞り方については、イラストとともに掲載されていて、ちょっとやってみようかな?って思わされます。油を作るのに必要な原料の重さなんかも載っていますね。ぶどうの種のオイルのところでは、ぶどう農家が種を集めた方法とかは、少し笑えます。

BDF(バイオディーゼル燃料)の作り方

BDFの作り方も、詳しく、手作りできるような方法で記載されています。最後の方に、とんかつ屋さんの廃油とメタノール、水酸化カリウムで作って、トラクタなどの農業で使う分の燃料を自給している例が載せられています。

バイオディーゼル燃料に思うこと

食用油を使ったバイオディーゼルがいいなと思うのは、そもそもが食べ物で、油は食用や薬用、化粧品とかに使われ、絞ったカスは、油カスとして肥料になり、食用のうち天ぷら用に使われたものの、廃油を燃料として燃やして使う。それにひまわりみたいに、緑肥にもなるような効果がある。いろいろ使い倒したあとに、最後はエネルギーとしてリサイクルのような感じで使ってしまえるっていうことですね。アルコールの場合も、食用などするけど、そのまま飲んでしまうから残らないですよね(笑)。それと、油の場合は、蒸留などの工程がないのもいいですね。蒸したり焙煎したりもしますが・・・

食用油って正確な消費量の統計がないそうですが、日本植物油協会によると2013~2014年で、推計で170,980千トン消費されたそうです自動車燃料としての軽油の消費量は2014年では、国交省の統計では23 731 272キロリットルらしいです。軽油の比重が0.80~0.84g/ cm3らしいので、単純に、24×106×103×0.80g=19.2×109gの消費量ですね。食用油のもし半分が回収されたとしたら、1.7×105×106×0.5=85×109gですね。約4倍もあるから、燃費が半分だとしても、2倍のディーゼル車が動かせる。ちなみにガソリンが、58 227 589キロリットル(比重が0.75くらい)ですから、計算上は、廃油を収集再生させれれば、日本の車類はぜ~んぶ動かせるってことなんですね!!! これまたびっくりですが・・・ということは、この廃油に、回収と精製に多少エネルギーを使っても、日本の車ぜ~んぶ動かすくらいのポテンシャルがあるということなんです。原油のうちで自動車用燃料になるのが30%~40%だったと思うので、原油購入量の3割減ができる。ちょっと前は38兆円くらいだったと記憶しているので、12兆円ものお金をオイルマネーに払わなくて済むんですね。。お~

変な技術開発をするより、食用廃油の効率的なBDF精製をする方法を研究する方がぜんぜんいいんじゃないですか?? むちゃくちゃサステナブルだし・・大豆や菜種などは輸入しているけど、徐々に、国産比率を高めることとすればいいですよね。おいおい。。技術開発の方向性間違ってるぞぉ~

コメントを残していただけるとありがたいです

Loading Facebook Comments ...
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。